下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成18年 問16

【問 16】 区分所有者Aがその所有する301号室に居住していて死亡した場合における同室の帰属等に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1 Aに相続人はいないが、Aと生計を同じくしていた特別縁故者Bがいるときは、Bに当然に帰属する。

2 Aの相続人の生死が明らかでないときは、その遺産について相続財産法人が当然に成立し、相続財産管理人が管理する。

3 Aに相続人はいないが、その遺産全部についての包括受遺者Cがいるときは、Cが当然に承継取得する。

4 Aに相続人があることが明らかでなく、相続人としての権利を主張する者がないときは、国庫に当然に帰属する。

【解答及び解説】

【問 16】 正解 3

1 誤り。相続人が存在しない場合において、相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることが「できる」。当然に特別縁故者に帰属するわけではない。
*民法958条の2

2 誤り。相続人の「存否」不明のときは、相続財産は、法人とされるが、相続人の「生死」が明らかでない場合には、当然に相続財産法人が当然に成立するわけではなく、失踪宣告の規定が適用される。
*民法951条

3 正しい。包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有するので、包括受遺者Cは当然に遺産全部を承継取得する。本肢の場合、Aに相続人がいないので、遺留分を害することもない。
*民法990条

4 誤り。相続人があることが明らかでなく、相続人としての権利を主張する者がないときには、特別縁故者への財産分与の可能性があるので、当然に国庫に帰属するわけではない。
*民法958条の3