下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成18年 問10

【問 10】 区分所有者Aは、ぺットとしての犬の飼育が規約で禁止されているにもかかわらず、ペットとして小型犬の飼育を始めた。甲マンション管理組合の管理者が再三にわたり中止するよう申し入れたが、Aは、その申入れを無視して犬の飼育を継続している。この場合に関する次の記述のうち、区分所有法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 ペットとしての犬の飼育が専有部分内で行われる場合であっても、飼育を禁止するとする規約は、有効である。

2 Aの犬の飼育が他の居住者に具体的に実害を発生させ、あるいは発生させる蓋然性はないとしても、Aの犬を飼育する行為は、規約に違反する行為である。

3 甲がAの犬の飼育の差止めの訴訟を提起する集会の決議をする場合、あらかじめ、Aに弁明する機会を与える必要がある。

4 甲がAの犬の飼育の差止めの訴訟を提起する場合の集会の議事は、区分所有者及び議決権の各過半数で決することができる。

【解答及び解説】

【問 10】 正解 3

1 正しい。規約は、建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項について定めることができるが、判例は犬、猫のようなペットの飼育を禁止する規約も有効であるとしている。
*区分所有法30条1項

2 正しい。規約が有効である以上、ペットを飼育する行為は、実害がなくても規約に違反する行為である。
*区分所有法30条1項

3 誤り。共同の利益に反する行為の停止等の請求の訴訟を提起するには、使用停止の請求の訴訟等とは異なり、義務違反者に対して弁明する機会を与える必要はない。
*区分所有法57条参照

4 正しい。共同の利益に反する行為の停止等の請求の訴訟を提起するには、区分所有者及び議決権の過半数の集会の決議があればよい。
*区分所有法57条2項