下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成17年 問11

【問 11】 甲マンション(管理組合乙)の101号室の区分所有者Aは、レストランを経営するにあたり、乙に無断で外壁にネオンを設置し、2年を経過したところ、最近になって、201号室の居住者からネオンについて苦情が寄せられたので、乙は、ネオンの撤去及び外壁の原状回復を図ることとした。この場合における次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。ただし、101号室は、1年前にAからBに譲渡され、Bがレストランを経営しているものとする。

1 ネオンを設置したのはAであるから、その撤去については、Aに対して請求する必要がある。

2 Aが無断でネオンを設置したとはいえ、既に2年を経過しているのであるから、その撤去及び原状回復のための費用は、乙が負担する必要がある。

3 Bから、営業上重大な支障が生じるとしてネオンに代えて看板の設置の要望があった場合、その設置については、集会において決議する必要がある。

4 ネオンを外壁に設置したことは、区分所有者の共同の利益に反する行為であるから、AとBの両方に原状回復を求めることができる。

【解答及び解説】

【問 11】 正解 3

1 誤り。ネオンを設置したのはAであるが、現在の101号室及びネオンの所有者はBであり、現在の所有者Bに対して撤去を請求すべきである。
*区分所有法57条1項

2 誤り。ネオンは2年前に設置したとはいえ、現在も設置されているわけであるから、その撤去及び原状回復をすることができ、その費用はBが負担することになる。
*区分所有法57条1項

3 正しい。ネオンに代えて看板を設置することは、共用部分の変更に該当し、形状の著しい変更を伴う場合は、区分所有者及び議決権の3/4以上、形状の著しい変更を伴わない場合は過半数の集会の決議が必要である。
*区分所有法17条、18条

4 誤り。ネオンを設置したのはAであるが、現在の101号室及びネオンの所有者はBであり、現在の所有者Bに対して原状回復を請求すべきである。
*区分所有法57条1項