下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。
マンション管理士 過去問解説 平成17年 問5
【問 5】 甲マンション管理組合における区分所有者の共有に属する敷地及び共用部分の管理等に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定によれば、正しいものはどれか。ただし、規約に別段の定めはないものとする。
1 甲が敷地の一部にある樹木を伐採し、駐車場として隣接するマンションに賃貸する場合は、区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数による集会の決議(以下「特別決議」という。)を得なければならない。
2 甲が集会所として使用するため隣接する土地及び建物を購入しようとする場合は、購入について、特別決議を得なければならない。
3 甲が建物の外壁のひび割れに係る補修工事を行う場合は、特別決議を得なければならない。
4 甲が悪質な敷地内駐車を繰り返す区分所有者に対して、駐車違反の停止を請求する場合は、あらかじめ当該区分所有者に弁明の機会を与えるとともに、特別決議を得なければならない。
【解答及び解説】
【問 5】 正解 1
1 正しい。その形状又は効用の著しい変更を伴う共用部分の変更は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決する。本肢では、樹木を伐採し、駐車場として賃貸するのであるから、形状又は効用の著しい変更を伴うといえる。なお、この規定は敷地に準用されている。
*区分所有法17条1項、21条
2 誤り。区分所有法で共用部分の変更といえるためには、変更前と変更後とで共用部分自体としては同一性を保っていることが必要であり、隣接地の購入はこれに該当しない。したがって、全員の同意が必要である。
*民法251条
3 誤り。外壁のひび割れに係る補修工事は、その形状又は効用の著しい変更を伴うとはいえず、軽微変更に該当し、区分所有者及び議決権の過半数の集会の決議があればよい。
*区分所有法18条1項
4 誤り。駐車違反の停止を請求することは、共同の利益に反する行為の停止等の請求に該当するが、この行為の停止等の請求は、集会の普通決議であり、また当該区分所有者に弁明の機会を与える必要はない。
*区分所有法57条