下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成17年 問2

【問 2】 区分所有者の共有に属する建物の敷地に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 一筆の土地の上に建物が数棟ある場合には、その土地全体が、法律上当然に各建物の敷地である。

2 規約で定めても、区分所有者以外の第三者に対して、建物の敷地の空地に排他的に使用収益をする権利を設定することはできない。

3 建物の敷地の空地に特定の区分所有者に対して特に有利な条件で排他的に使用収益をする権利を規約で設定する場合には、その集会の決議に当たり、他の区分所有者全員の承諾を得なければならない。

4 建物の敷地の各共有者の持分は、共有者間で別段の定めがない限り、相等しいものと推定される。

【解答及び解説】

【問 2】 正解 2

1 正しい。「建物の敷地」とは、建物が所在する土地をいい、そして、この敷地は不動産登記法上の筆を基準として考えるので、一筆の土地の上に建物が数棟ある場合には、その土地全体が、法律上当然に各建物の敷地ということになる。
*区分所有法2条5項

2 誤り。敷地の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項は、規約で定めることができるが、建物の敷地の空地に排他的に使用収益をする権利を設定することは、敷地の管理又は使用に関する事項と考えられるので、規約で定めることができる。
*区分所有法30条1項

3 正しい。規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。建物の敷地の空地に特定の区分所有者に対して特に有利な条件で排他的に使用収益をする権利を規約で設定すれば、他の区分所有者は不利益を受けるわけであるから、他の区分所有者全員の承諾を得なければならない。
*区分所有法31条1項

4 正しい。建物の敷地の各共有者の持分は、共有者間で別段の定めがないのであれば、民法を適用することになるので、各共有者の持分は、相等しいものと推定される。
*民法250条