下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成16年 問29

【問 29】 規約原本及び現に有効な規約に関する次の記述のうち、標準管理規約(電磁的方法が可能ではない場合とする。)によれば、適切でないものはどれか。

1 規約原本とは、規約1通に区分所有者全員が署名したものをいい、その内容は、現に有効な規約の内容とは必ずしも一致しない。

2 規約原本がなくても、初めて規約を設定した際の総会の議事録があれば、それが規約原本の機能を果たすことになる。

3 総会で規約の変更が決議された場合、理事長は、変更された後の規約を記載した書面に総会の議長と議長が指名した出席組合員2名が署名したものを保管しなければならない。

4 区分所有者又は利害関係人から書面により現に有効な規約の内容を記載した書面の閲覧請求があったときは、理事長は、その閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる。

【解答及び解説】

【問 29】 正解 3

1 適切。この規約を証するため、区分所有者全員が署名した規約を1通作成し、これを規約原本とするとされているが、規約が規約原本の内容から総会決議により変更されているときは、理事長が一定の内容を記載し、署名した上で、この書面を保管するとされているので、規約原本は現に有効な規約の内容とは必ずしも一致しない。
*標準管理規約72条1項・3項

2 適切。区分所有者全員が署名した規約がない場合には、分譲時の規約案及び分譲時の区分所有者全員の規約案に対する同意を証する書面又は初めて規約を設定した際の総会の議事録が、規約原本の機能を果たすこととなる。
*標準管理規約72条関係コメント①

3 不適切。規約が規約原本の内容から総会決議により変更されているときは、理事長は、1通の書面に、現に有効な規約の内容と、その内容が規約原本及び規約変更を決議した総会の議事録の内容と相違ないことを記載し、署名した上で、この書面を保管する。議長が指名した出席組合員2名の署名は不要である。
*標準管理規約72条3項

4 適切。区分所有者又は利害関係人の書面による請求があったときは、理事長は、現に有効な規約の内容を記載した書面の閲覧をさせなければならないが、その場合において、理事長は、閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる。
*標準管理規約72条5項