下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成16年 問24

【問 24】 下図のとおり公共下水道の供用が開始されたことに伴い、その排水区域内にあるAマンションの区分所有者が、Aマンションの下水を、分流式である公共下水道に流入させるために必要な排水管、排水渠その他の排水施設(以下「排水設備」という。)を設置する場合に関する次の記述のうち、下水道法の規定によれば、正しいものはどれか。ただし、甲地、乙地及び丙地の所有者は、それぞれ異なる者であり、Aマンションについては、排水設備の設置義務が課されているものとする。



1 Aマンションの区分所有者は、その下水を乙地を使用しなければ公共下水道に流入させることが困難であるときは、乙地の所有者の同意を得ることなく、乙地に排水設備を設置することができる。

2 Aマンションの区分所有者は、その下水を丙地の所有者が設置した排水設備を使用しなければ公共下水道に流入させることが困難であるときは、当該排水設備を使用することができ、この場合においては、当該排水設備の維持に要する費用の1/2を負担しなければならない。

3 Aマンションの区分所有者は、汚水と雨水とを一つの管路で公共下水道に流入させる構造の排水設備を設置しなければならない。

4 Aマンションの区分所有者は、乙地に設置した排水設備の修繕をするためやむを得ない必要があるときは、乙地の所有者にその旨を告げることなく、乙地を使用することができる。

【解答及び解説】

【問 24】 正解 1

1 正しい。排水設備を設置しなければならない者は、他人の土地又は排水設備を使用しなければ下水を公共下水道に流入させることが困難であるときは、他人の土地に排水設備を設置し、又は他人の設置した排水設備を使用することができる。当該他人の同意は必要とされていない。
*下水道法11条1項

2 誤り。他人の排水設備を使用する者は、「その利益を受ける割合」に応じて、その設置、改築、修繕及び維持に要する費用を負担しなければならない。必ずしも1/2とは限らない。
*下水道法11条2項

3 誤り。分流式の公共下水道に下水を流入させるために設ける排水設備は、汚水と雨水とを「分離」して排除する構造としなければならない。本問の公共下水道は、分流式であるので、汚水と雨水とを一つの管路で公共下水道に流入させる構造としてはいけない。
*水道法施行令8条4号

4 誤り。他人の土地に排水設備を設置することができる者又は当該排水設備の維持をしなければならない者は、当該排水設備の設置、改築若しくは修繕又は維持をするためやむを得ない必要があるときは、他人の土地を使用することができるが、この場合においては、あらかじめその旨を当該土地の占有者に告げなければならない。
*下水道法11条3項