下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成16年 問12

【問 12】 マンション管理士Aが甲マンション管理組合法人の理事に対して行った次の説明の下線部(ア)~(エ)のうち、区分所有法、民法及び一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の規定によれば、誤っているものはどれか。

管理組合法人は、非営利法人であり、その目的の範囲による権利能力の制限を受けます。したがって、(ア)甲も、規約で定められた目的の範囲内で、権利を有し、義務を負うことになります。
また、管理組合法人は、財産目録を作成し、これを事務所に備え置かなくてはなりません。(イ)理事は、財産目録を作成しなかった場合や不正の記載をした場合には、20万円以下の過料に処されることになります。
さらに、管理組合法人は、常時、区分所有者名簿を事務所に備え置く必要があります。理事は、区分所有者名簿を作成して事務所で保管し、(ウ)区分所有者に変更があれば、その都度、その訂正をする必要があります。
なお、管理組合法人は、理事がその業務を行うに当たって他人に損害を与えた場合、法人自体にこれを賠償する責任があり、(エ)理事が直接その損害を賠償する責任を負うことはありません。

1 ア
2 イ
3 ウ
4 エ
【解答及び解説】

【問 12】 正解 4

ア 正しい。管理組合法人は、非営利法人であり、非営利法人はその目的の範囲により権利能力の制限を受けるとされ、管理組合法人も、規約で定められた目的の範囲内で、権利を有し、義務を負う。

イ 正しい。管理組合法人は、設立の時及び毎年1月から3月までの間に財産目録を作成し、常にこれをその主たる事務所に備え置かなければならない。これに違反したときや不正の記載をした場合は、20万円以下の過料に処される。
*区分所有法71条6号

ウ 正しい。管理組合法人は、区分所有者名簿を備え置き、区分所有者の変更があるごとに必要な変更を加えなければならない。
*区分所有法48条の2第2項

エ 誤り。一般社団法人は、代表理事その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。この規定は、管理組合法人に準用されている。したがって、理事が直接その損害を賠償する責任を負うこともあり得る。
*一般社団法人及び一般財団法人に関する法律78条

以上より、(エ)が「誤り」であり、正解は肢4となる。