下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成16年 問2

【問 2】 定期借地権設定契約に基づき建てられたマンション(マンションの管理の適正化の推進に関する法律第2条第1号イのマンションをいう。以下同じ。)の101号室の管理又は処分に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定によれば、正しいものはどれか。ただし、規約に別段の定めはなく、当該土地の所有者Aと101号室の所有者Bとの問の定期借地権設定契約には、特約はないものとする。

1 101号室を売却する場合、Aの承諾があれば、101号室とそれに係る借地権の準共有持分とを分離して譲渡することができる。

2 101号室を売却する場合、他の区分所有者の承諾を得なくても、101号室とそれに係る借地権の準共有持分とを譲渡することができる。

3 101号室に面して排他的な使用権が設定されている庭がある場合、Aの承諾を得なければ、101号室を賃貸することができない。

4 101号室に抵当権を設定する場合、101号室に係る借地権の準共有持分は、抵当権の目的とすることができない。

【解答及び解説】

【問 2】 正解 2

1 誤り。敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない。ただし、規約に別段の定めがあるときは、この限りでない。したがって、分離処分をするには、土地の所有者の承諾だけでなく、規約も必要となる。
*区分所有法22条1項

2 正しい。専有部分を譲渡するには、他の区分所有者の承諾を得る必要はない。なお、専有部分の売却は、借地権の譲渡・転貸に該当するので、土地の所有者の承諾は必要となる。
*民法612条1項

3 誤り。借地上の建物の賃貸は、土地の譲渡・転貸に該当しないので、専有部分の賃貸には土地の所有者の承諾は不要である。これは庭に専用使用権が設定されている場合でも同様である。
*民法612条1項参照

4 誤り。敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない。分離して処分しなければよいので、同一の抵当権者が抵当権を設定するのであれば、借地権の準共有持分にも抵当権を設定することはできる。
*区分所有法22条1項