下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成15年 問42

【問 42】 マンションの構造上の安全に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 建築物を設計する際に想定する地震力の数値は、地域によって大きさが異なり、一般に、九州における数値よりも、本州太平洋側における数値の方が大きい。

2 20階以上の超高層マンションは、鉄骨鉄筋コンクリート造だけでなく、鉄筋コンクリート造でも、建設されている。

3 鋼管コンクリート構造は、鉄筋コンクリート構造に比べて施工性及び耐久性に優れているが、耐震性に問題があるので、10階程度の高層マンションには使われていない。

4 液状化現象は、地層中の砂が地震の揺れによって液体に近い状態になることをいい、地震時に建物が傾く等の被害を引き起こすことがある。

【解答及び解説】

【問 42】 正解 3

1 適切。建築物を設計する際に想定する地震力の数値については、地域性を考慮したものとしては地震地域係数があり、各地方における過去の地震の記録に基づく被害の程度、地震の活動状況等に応じて定められている。それによると、本州太平洋側における数値は1.0とされているが、九州では0.8又は0.9となっている。

2 適切。20階以上の超高層マンションは、鉄骨鉄筋コンクリート造で建設されることが多いが、高強度コンクリートを用いれば、鉄筋コンクリート造でも建設ができる。

3 不適切。チューブ状の鋼管の中にコンクリートを詰めて主要構造材とした鋼管コンクリート構造は、鉄筋コンクリート造と同様に、鉄とコンクリートの特性が補い合い、優れた性能を持ち、耐震性もあり、10階以上の高層マンションにも使われる。

4 適切。液状化現象は、地層中の砂が地震の揺れによって液体に近い状態になるので、地盤の強度が著しく低下し、地震時に建物が傾く等の被害を引き起こすことがある。