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マンション管理士 過去問解説 平成15年 問33

【問 33】 甲マンション管理組合とAマンション管理会社との間の管理委託契約に関する次の記述のうち、標準管理規約及び標準管理委託契約書によれば、適切でないものはどれか。

1 管理委託契約を解約する議案について、賛成者が反対者を上回ったとしても、棄権が多く、出席組合員の議決権の過半数を得ていない場合は、甲は、管理委託契約を解約することはできない。

2 日常清掃を週3日実施するとの管理委託契約の定めに反して、Aが週2日しか実施しなくても、甲は、直ちに管理委託契約を解除することはできない。

3 管理委託契約では有効期間が2年と定められているので、甲は、その期間内は管理委託契約を解約することはできない。

4 Aが管理費等の滞納者に対して管理委託契約に定める方法により督促を行った場合、結果的に滞納管理費等が回収されなかったとしても、甲は、そのことを理由として、管理委託契約を解除することはできない。

【解答及び解説】

【問 33】 正解 3

1 適切。総会の議事は、出席組合員の「議決権」の過半数で決するので、賛成者が反対者を上回ったとしても、出席組合員の議決権の過半数を得ていない場合は、甲は、管理委託契約を解約することはできない。
*標準管理規約47条2項

2 適切。管理組合は、その相手方が、本契約に定められた義務の履行を怠った場合は、相当の期間を定めてその履行を「催告」し、相手方が当該期間内に、その義務を履行しないときは、本契約を解除することができる。したがって、催告なく、直ちに解除することはできない。
*標準管理委託契約書20条1項

3 不適切。管理委託契約書に有効期間が定められていても、管理組合又は管理業者は、その相手方に対し、少なくとも3月前に書面で解約の申入れを行うことにより、契約を終了させることができる。
*標準管理委託契約書21条

4 適切。管理業者は、出納業務を行う場合において、管理組合の組合員に対し滞納管理費の督促を行っても、なお当該組合員が支払わないときは、その責めを免れるものとし、その後の収納の請求は管理組合が行うものとされているので、結果的に滞納管理費等が回収されなかったとしても、債務不履行にはならず、管理組合は、管理委託契約を解除することはできない。
*標準管理委託契約書11条1項