下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成15年 問17

【問 17】 Aが宅地建物取引業者Bから購入した新築マンション(まだ人の居住の用に供したことのないもので、かつ、建設工事の完了の日から起算して1年を経過していないものとする。)の売買契約における瑕疵担保責任に関する次の記述のうち、民法、住宅の品質確保の促進等に関する法律及び宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 上部階の居室床のフローリングに起因する騒音が発生した場合、Bは、引渡し後10年間、瑕疵担保責任を負わなければならない。

2 建物の契約不適合責任について買主が売主に対して契約不適合を通知すべき期間を引渡し後1年間とする旨の特約があっても、売主である宅地建物取引業者Bは、宅地建物取引業法の規定により、買主がその不適合を引渡し後2年以内にその旨を売主に通知すれば、契約不適合責任を負わなければならない。

3 雨漏りの被害について、Aが入居後直ちに気付いていても、屋根に起因するものについては、Aは、引渡しを受けた後10年間は、いつでもBに対して瑕疵修補請求をすることができる。

4 施工業者の手抜き工事による瑕疵であっても、Bは、瑕疵担保責任を負わなければならない。

【解答及び解説】

【問 17】 正解 4

1 誤り。新築住宅の売買契約においては、売主は、買主に引き渡した時から10年間、住宅の構造耐力上主要な部分等の隠れた瑕疵について、瑕疵担保責任を負うが、この「住宅の構造耐力上主要な部分」とは、住宅の基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材で、当該住宅の自重若しくは積載荷重、積雪、風圧、土圧若しくは水圧又は地震その他の震動若しくは衝撃を支えるものとされている。フローリングはこれに該当しないので、民法の原則どおり、瑕疵を発見してから1年間瑕疵担保責任を負うことになる。
*品確法施行令5条1項

2 誤り。宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、契約不適合責任に関し、原則として民法より買主に不利となる特約をしてはならないが、買主が売主に対して契約不適合を通知すべき期間については、引渡しの日から2年以上となる特約は認められている。しかし、本肢では引渡しから1年であり、このような特約は無効となり、民法の原則に戻り、買主がその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知すれば、売主は契約不適合責任を負わなければなければならない。
*宅建業法40条

3 誤り。新築住宅の売買契約においては、住宅の構造耐力上主要な部分等の隠れた瑕疵について、瑕疵修補請求は、買主が事実を知った時から1年以内にしなければならない。
*品確法95条3項

4 正しい。損害賠償責任を除く瑕疵担保責任は、売主の無過失責任であるから、施工業者の手抜き工事による瑕疵であっても、Bは、損害賠償責任以外の瑕疵担保責任を負わなければならない。
*民法562条等