下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。
マンション管理士 過去問解説 平成15年 問15
【問 15】 Aが所有するマンションの1室をその子Bに贈与する場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 AのBに対する贈与契約が口頭でなされた場合に、Aは、Bにマンションの登記を移転した後においても、贈与契約を解除することができる。
2 Aは、マンションをBに贈与する旨の契約を書面によって行った場合、特段の事情がなくても贈与契約を解除することができる。
3 贈与がAの死亡により効力が発生するものである場合は、その贈与は、遺言の方式によらなければならない。
4 Aのローンの返済をBが行うことを条件とすることを明示して贈与がなされた場合において、Bがローンの返済を全くしないときは、Aは、贈与契約を解除することができる。
【解答及び解説】
【問 15】 正解 4
1 誤り。書面によらない贈与は、各当事者が解除することができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。この履行が終わったというのは、不動産の場合、登記又は引渡しとされるので、登記を移転した本肢においては、贈与契約を撤回することはできない。
*民法550条
2 誤り。書面によらない贈与は、各当事者が解除することができるが、書面による贈与は、特段の事情がないのに解除することはできない。
*民法550条
3 誤り。贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与(死因贈与)については、その性質に反しない限り、遺贈に関する規定を準用するとされているが、遺言の方式に関する規定については、その性質上準用されない。
*民法554条
4 正しい。本肢の贈与は、負担付贈与と認められるが、負担付贈与については、その性質に反しない限り、双務契約に関する規定が準用されているので、負担を履行しない場合は、贈与契約を解除されることがある。
*民法553条