下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成14年 問32

【問 32】 管理費の滞納に関する次の記述のうち、区分所有法、民法、民事訴訟法及び破産法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 滞納管理費の額が、滞納者所有のマンションの一室の価額の1/10未満の場合には、管理組合は、その一室に対し先取特権による競売の申立てを行うことができない。

2 管理費の滞納者が破産宣告を受け、免責が確定した場合には、その者は、破産宣告までの滞納管理費の支払責任を免れる。

3 管理費の滞納者が行方不明の場合にも、管理組合は、その者に対して滞納額の支払いを求める訴訟を提起することができる。

4 滞納管理費について消滅時効の期間が満了した場合にも、管理組合は、滞納者に対して適法に支払いを請求することができる。

【解答及び解説】

【問 32】 正解 1

1 誤り。滞納管理費に関する債権については、債務者の区分所有権及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有するが、この場合に滞納管理費の額が、滞納者所有のマンションの一室の価額の1/10未満の場合には、先取特権による競売の申立てを行うことができないというような制限はない。
*区分所有法7条1項

2 正しい。免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れるので、破産宣告までの滞納管理費の支払責任を免れる。
*破産法253条1項

3 正しい。管理費の滞納者が行方不明の場合にも、公示送達の方法により訴訟を提起することができる。
*民事訴訟法110条1項1号

4 正しい。時効は、当事者が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができないので、消滅時効の期間が満了した場合でも、当事者が援用しない限り、適法に支払いを請求することができる。
*民法145条