下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成14年 問28

【問 28】 マンションの区分所有者共有の敷地に、新たに区分所有者共有の機械式立体駐車場を設置する場合の集会の決議に関する次の記述のうち、区分所者法及び民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 この決議は、設置によって生ずる日照、騒音等の被害を受けると主張する区分所有者がいた場合、その被害の程度のいかんを問わず、その者の承諾を得なければ無効である。

2 この決議に必要とされる区分所有者の数は、規約で過半数とすることができる。

3 この決議に反対した区分所有者は、設置に要する費用を負担する義務を負わない。

4 この決議に賛成した区分所有者は、設置によって日照、騒音等の被害を受けても、その損害の賠償を区分所有者全員又は管理組合法人に請求することはできない。

【解答及び解説】

【問 28】 正解 2

1 誤り。規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならないが、機械式立体駐車場の設置によって日照、騒音等の被害を受ける区分所有者がいれば、被害の程度が大きければ「特別の影響」受けるといえる。したがって、「被害の程度のいかんを問わず」というのは誤りである。
*区分所有法31条1項

2 正しい。その形状又は効用の著しい変更を伴う共用部分の変更は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決するが、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。本問は敷地の重大変更といえるので、規約で定めれば、決議に必要な区分所有者の数を、規約で過半数とすることができる。
*区分所有法17条1項

3 誤り。各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分に応じて、共用部分の負担に任じ、共用部分から生ずる利益を収取する。これは、決議に反対した区分所有者であっても同様である。
*区分所有法19条

4 誤り。決議に賛成したからといって、それがそのまま不法行為に基づく損害賠償請求の放棄とはいえないので、決議に賛成した区分所有者も損害賠償をすることができる。
*民法709条