下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成14年 問27

【問 27】 集会の決議に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 ペットの飼育について特に定めていなかった規約を改正して、「小鳥、金魚以外の動物の飼育を禁止する」という定めを置く場合、既に犬や猫を飼育している区分所有者の承諾を得る必要はない。

2 都市計画事業による道路拡幅のため、区分所有者が共有するマンショシの敷地の一部を地方公共団体に売却しなければならない場合、集会で区分所有者及び議決権の各4分の3の賛成を得ても、これを行うことができない。

3 駐車場の増設工事を議題とする集会でこれが否決された場合でも、引き続き次の年度に同一の議題について集会に提案し、再度議決を求めることができる。

4 修繕積立金の取崩しを議題とする集会で、修繕積立金を月額10パーセント値上げすべきであるとの意見が出た場合、規約に別段の定めがなくても、修繕積立金の10パーセント値上げの決議をすることができる。

【解答及び解説】

【問 27】 正解 4

1 正しい。規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならないが、ペットの飼育は、鳴き声、臭いなど他の区分所有者に迷惑をかける可能性があるので、ペット禁止への規約変更は「特別の影響」を及ぼす場合には該当しないというのが判例である。
*区分所有法31条1項

2 正しい。敷地の「変更」行為は、区分所有者及び議決権の3/4以上の集会の決議で行うことができるが、敷地の売却という「処分」行為は、区分所有法に規定はなく、民法の原則に戻り、区分所有者全員の同意が必要となる。
*民法251条

3 正しい。一度否決された議題について、再度議決を求めることを禁止する規定は特になく、再度議決を求めることができる。

4 誤り。集会においては、集会の招集通知によりあらかじめ通知した事項についてのみ、決議をすることができる。修繕積立金の取崩しと、修繕積立金の値上げは別の議題と考えられるので、本肢のような決議をすることはできない。
*区分所有法37条1項