下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成14年 問14

【問 14】 AがBに中古マンションの一室を売却した場合におけるAの契約不適合責任に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 Aが専有部分内の床暖房設備が一部故障していたことを全く知らなかった場合でも、Aは、Bに対し、追完義務を負う。

2 Aの専有部分にある家庭用エアコンディショナーが故障していた場合、Bは、Aに対し、追完請求、代金減額請求及び損害賠償の請求のほか、売買契約の解除をすることもできる。

3 Aが負う契約不適合責任は、引渡し後に生じた契約不適合には及ばない。

4 Bが売買契約を締結して2年後に契約不適合があることを知った場合、その日から1年以内にその旨をAに通知すれば、契約不適合責任による損害賠償請求権は保存される。

【解答及び解説】

【問 14】 正解 2

1 正しい。損害賠償請求を除く契約不適合責任は、売主の無過失責任であるから、売主が契約不適合の存在を全く知らなかった場合でも、売主は追完義務を負わなければならない。
*民法562条

2 誤り。売買の目的物に契約不適合があったときは、債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときを除き、買主は、契約の解除をすることができる。家庭用エアコンディショナーが故障していただけでは、契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるといえるので、解除できない。
*民法564条

3 正しい。契約不適合責任は債務不履行の一種であるから、契約不適合が生じた時期は、契約成立の前後を問わないが、引渡し時までに生じたものであることが必要である。
*民法562条等

4 正しい。契約不適合責任による損害賠償請求は、買主がその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知すれば追及することができる。
*民法566条