下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成14年 問7

【問 7】 Aは、その所有する甲マンションの202号室に水漏れの被害が生じたので、301号室(直上室302号室の隣室)の所有者Bに対して、損害賠償を請求することとした。この場合に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定によれば正しいものはどれか。

1 Bは、水漏れの原因が301号室の専有部分にないことを立証すれば、損害賠償の責任を免れる。

2 Bは、水漏れの原因が302号室(所有者C)の専有部分にあることが明らかである場合においても、区分所有者の一人として、Cと共に連帯して損害賠償の責任を負う。

3 Bは、水漏れの原因が甲マンションにあることが明らかであるが、原因が存する部位が明らかでない場合においては、Aに対して、その損害賠償の責任を負うことはない。

4 Bは、水漏れの原因が甲マンションの外壁工事に粗悪な材料が使用されたことによるものであったとしても、区分所有者の一人として、その損害賠償の責任を免れない。

【解答及び解説】

【問 7】 正解 4

1 誤り。Bは自己の専有部分に原因がないことを立証しても、共用部分に原因がある場合には、共用部分の共有者の一人としての責任を問われる可能性がある。
*区分所有法9条

2 誤り。水漏れの原因が302号室の専有部分にあることが明らかであれば、Cの不法行為であり、Cのみに損害賠償の責任がある。
*民法709条

3 誤り。建物の設置又は保存に瑕疵があることにより他人に損害を生じたときは、その瑕疵は、共用部分の設置又は保存にあるものと推定される。したがって、原因の存在する部位が明らかでない場合は、Bは共用部分の共有者の一人として損害賠償の責任を負うこともあり得る。
*区分所有法9条

4 正しい。水漏れの原因が外壁にある以上、Bは共用部分の共有者として損害賠償の責任を問われる。ただ、外壁工事をした者に対しては、求償することができる。
*民法717条1項