下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成14年 問2

【問 2】 管理組合(区分所有法第3条に規定する区分所有者の団体をいう。以下同じ。)に管理者が置かれている場合、その管理者の権限又は義務に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 マンションの管理のために管理者に認められる代理権は、これを制限することはできない。

2 管理者がその職務の範囲内で第三者との間にした行為については、管理者と共に、区分所有者が原則としてその有する専有部分の床面積の割合に従って責任を負う。

3 管理者が規約により共用部分を所有する場合、一般にその管理において必要とされる費用を区分所有者に対して請求することができる。

4 管理者は、マンションの管理を行った場合には、規約に別段の定めがなくても、法律上当然に、相当額の報酬を請求することができる。

【解答及び解説】

【問 2】 正解 3

1 誤り。区分所有法は、「管理者の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない」旨を規定しているが、これは管理者の代理権に制限を加えることができることを前提に、その制限の第三者への対抗を規定したものである。
*区分所有法26条3項

2 誤り。管理者がその職務の範囲内において第三者との間にした行為について、原則として専有部分の床面積の割合で区分所有者がその責めに任ずるのであり、管理者が直接責任を負うことはない。
*区分所有法29条1項

3 正しい。規約で共用部分の所有者と定められた管理者は、区分所有者全員のためにその共用部分を管理する義務を負う。この場合には、それらの区分所有者に対し、相当な管理費用を請求することができる。
*区分所有法27条2項

4 誤り。管理者の権利義務は、民法の委任に関する規定が準用されるので、原則として無償である。
*区分所有法28条