下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成13年 問39

【問 39】 マンション(5階建て璧式構造)の4階における居室のダイニング・キッチンのリフォームに係る増築が、下図のとおり、計画されている。この場合に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。



1 Aを避難上有効なバルコニーとするために、避難ハッチ等の設置が必要である。

2 Bの外壁は主要な構造部であるので、補強がなされなければ、耐震性が低下する。

3 既存バルコニー内の増築であるので、容積率は変わらない。

4 この増築を実施するためには、規約に別段の定めがない限り、区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数による議決が必要である。

【解答及び解説】

【問 39】 正解 3

1 適切。バルコニーは、本来避難路になるので、増築後には隣戸への非難ができなくなるので、避難ハッチ等の設置により下の階への避難路を確保することが必要である。

2 適切。増築により外壁が従来の位置より外側に移動している形になっているが、本問のマンションは壁式構造とされており、外壁は主要な構造部であるので、補強がなされなければ、耐震性が低下する。

3 不適切。バルコニーは、一定の範囲で床面積に算入されないので、バルコニー部分の一部がダイニング・キッチンになった場合は、床面積が増加する形になり、容積率が変わることになる。

4 適切。その形状又は効用の著しい変更を伴う共用部分の変更は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決する。この増築により外壁を変更することになり、形状の変更を伴う。
*区分所有法17条1項


【解法のポイント】この問題は、肢4について疑義があります。共用部分であるバルコニーの一部を専有部分にしているので、共用部分の廃止ということもいえます。したがって、区分所有者の全員の同意が必要ではないか?ということです。しかし、正解肢は肢3と発表されており、肢3と肢4の比較で肢3が正解ということでいいと思います。