下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 令和5年 問3

【動画解説】法律 辻説法

【問 3】 Aが、代理権を有しないにもかかわらず、Bの代理人と称して、Cとの間でB所有のマンションの一住戸の売買契約(以下、本問において「本件売買契約」という。)を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も不適切なものはどれか。ただし、Aは制限行為能力者ではないものとする。

1 Aの行為は無権代理行為であるが、Bが追認をすれば、本件売買契約は有効となる。

2 本件売買契約が締結されたときに、CがAに代理権がないことを知っていた場合は、Cは、Bに対して、追認をするかどうかを確答すべき旨を催告することができない。

3 CがBに対し、相当の期間を定めて、その期間内にAの無権代理行為を追認するかどうかを確答すべき旨を催告した場合において、Bがその期間内に確答をしないときは、Bは、追認を拒絶したものとみなされる。

4 CがBに対し、相当の期間を定めて、その期間内にAの無権代理行為を追認するかどうかを確答すべき旨を催告した場合において、Bが追認を拒絶したときは、Aは、Cに対して、Cの選択に従い、本件売買契約の履行又は損害賠償の責任を負う。

【解答及び解説】

【問 3】 正解 2

1 適切。追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずるので、最初から本件売買契約は有効となる。
*民法116条

2 不適切。代理権を有しない者が他人の代理人として契約した場合において、相手方は、本人に対し、相当の期間を定めて、その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この催告権は相手方の善意悪意を問題にしていないので、CがAに代理権がないことを知っていた場合であっても、催告することができる。
*民法114条

3 適切。代理権を有しない者が他人の代理人として契約した場合において、相手方は、本人に対し、相当の期間を定めて、その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、本人がその期間内に確答をしないときは、「追認を拒絶」したものとみなす。
*民法114条

4 適切。他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明したとき、又は本人の追認を得たときを除き、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。
*民法117条1項


【解法のポイント】この問題は、素直な問題でした。