下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 令和4年 問38

【動画解説】法律 辻説法

【問 38】 団地関係に関する次の図についての各記述のうち、区分所有法によれば、最も不適切なものはどれか。

1 Aの建物所有者とBの建物所有者とCの建物所有者が甲地を共有している場合には、甲地を目的とするAとBとCの団地関係が成立する。


2 Aの建物所有者とBの建物所有者が敷地駐車場を共有し、Aの建物所有者とBの建物所有者とCの建物所有者がDと通路を共有している場合には、Dと通路を目的としたAとBとCの団地関係と、敷地駐車場を目的としたAとBの団地関係が、重畳的に成立する。


3 Aの建物所有者とBの建物所有者が通路を共有している場合でも、規約で定めれば、甲地と乙地と丙地を団地共用部分とするAとBとCの団地関係が成立する。


4 Aの建物所有者が甲地を単独所有し、Bの建物所有者とCの建物所有者が乙地を共有し、Aの建物所有者とBの建物所有者とCの建物所有者が通路を共有し、AとB、AとCの往来に利用されている場合には、通路を目的としたAとBとCの団地関係と、乙地を目的としたBとCの団地関係が、重畳的に成立する。


【解答及び解説】

【問 38】 正解 3

1 適切。一団地内に数棟の建物があって、その団地内の土地又は附属施設がそれらの建物の所有者(専有部分のある建物にあっては、区分所有者)の共有に属する場合には、それらの所有者(団地建物所有者)は、全員で、その団地内の土地、附属施設及び専有部分のある建物の管理を行うための団体を構成する。A・B・Cの建物所有者は、甲地を共有しているので、三者の間で団地関係が成立する。
*区分所有法65条

2 適切。一団地内に数棟の建物があって、その団地内の土地又は附属施設がそれらの建物の所有者(専有部分のある建物にあっては、区分所有者)の共有に属する場合には、それらの所有者(団地建物所有者)は、全員で、その団地内の土地、附属施設及び専有部分のある建物の管理を行うための団体を構成する。したがって、A・Bの建物所有者は敷地駐車場を共有しているので、当該駐車場を管理するための団地関係が成立し、A・B・Cの建物所有者は、通路を共有しているので、当該通路を管理するための団地関係が成立する。そして、このような複数の団地関係は、重畳的に(重なって)成立する。
*区分所有法65条

3 不適切。一団地内に数棟の建物があって、その団地内の土地又は附属施設がそれらの建物の所有者(専有部分のある建物にあっては、区分所有者)の「共有」に属する場合には、それらの所有者(団地建物所有者)は、全員で、その団地内の土地、附属施設及び専有部分のある建物の管理を行うための団体を構成する。しかし、本問では、甲地・乙地・丙地はA・B・Cの建物所有者の「共有」とはなっていないので、たとえ規約で定めても、A・B・C間に団地関係が成立することはない。
*区分所有法65条

4 適切。一団地内に数棟の建物があって、その団地内の土地又は附属施設がそれらの建物の所有者(専有部分のある建物にあっては、区分所有者)の共有に属する場合には、それらの所有者(団地建物所有者)は、全員で、その団地内の土地、附属施設及び専有部分のある建物の管理を行うための団体を構成する。したがって、B・Cの建物所有者は乙地を共有しているので、敷地を管理するための団地関係が成立し、A・B・Cの建物所有者は、通路を共有しているので、当該通路を管理するための団地関係が成立する。そして、このような複数の団地関係は、重畳的に(重なって)成立する。
*区分所有法65条


【解法のポイント】この問題は、基本的なものだと思います。ただ、図があって、文章が長いので、面倒な感じがしますが、そこは頑張って下さい。