下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 令和4年 問10

【動画解説】法律 辻説法

【問 10】 管理組合Aが、区分所有者Bに対して滞納管理費の支払を請求するために民事訴訟法上の「少額訴訟」を利用する場合に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。

ア A又はBが、当該少額訴訟の終局判決に対して不服があるときは、管轄の地方裁判所に控訴することができる。

イ Bは、訴訟が係属している間であれば、いつでも、当該少額訴訟を通常の訴訟手続に移行させる旨の申述をすることができる。

ウ Bが滞納している管理費の総額が70万円である場合に、Aは、訴訟の目的の価額を60万円として少額訴訟を利用することができる。

エ Bは、当該少額訴訟において反訴を提起することはできない。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

【解答及び解説】

【問 10】 正解 2

ア 不適切。少額訴訟の終局判決に対しては、控訴をすることができない。
*民事訴訟法377条

イ 不適切。被告は、訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述をすることができる。ただし、被告が最初にすべき口頭弁論の期日において弁論をし、又はその期日が終了した後は、この限りでない。訴訟が係属し、被告が最初にすべき口頭弁論の期日において弁論すれば、通常訴訟への移行の申述はできない。
*民事訴訟法373条1項

ウ 適切。簡易裁判所においては、訴訟の目的の価額が「60万円以下」の金銭の支払の請求を目的とする訴えについて、少額訴訟による審理及び裁判を求めることができる。したがって、滞納管理費の総額が70万円であっても、訴訟の目的の価額を60万円とすれば、少額訴訟を利用することができる。
*民事訴訟法368条1項

エ 適切。少額訴訟においては、反訴を提起することができない。
*民事訴訟法369条


以上より、適切なものは、ウとエの二つであり、肢2が正解となる。


【解法のポイント】この問題も基本的なものでした。