下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 令和3年 問38

【問 38】 次の記述のうち、区分所有法の規定、標準管理規約(単棟型)及び判例によれば、理事会の決議のみで行うことができるものはいくつあるか。

ア 管理組合の業務を委託するマンション管理業者を変更すること。

イ 組合員が利用していないマンションの屋上部分に、携帯電話基地局の設置を認めて、電信電話会社から賃料収益を得る契約を締結すること。

ウ 敷地及び共用の施設での禁煙細則案と、それに伴う規約の改正案を検討するために、別途の予算を要さずに組合員で構成される専門委員会を設置すること。

エ 管理者である理事長が1箇月入院することになったため、理事長と他の理事との職務を交代すること。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

【解答及び解説】

【問 38】 正解 2

ア 理事会の決議のみで行うことはできない。「組合管理部分に関する管理委託契約の締結」は、総会の決議を経なければならない。したがって、マンション管理業者を変更することは、理事会の決議のみで行うことはできない。
*標準管理規約48条16号

イ 理事会の決議のみで行うことはできない。管理組合は、「総会の決議」を経て、敷地及び共用部分等(駐車場及び専用使用部分を除く。)の一部について、第三者に使用させることができる。したがって、設問の契約の締結は、理事会の決議のみで行うことはできない。
*標準管理規約16条2項

ウ 理事会の決議のみで行うことができる。理事会は、その責任と権限の範囲内において、専門委員会を設置し、特定の課題を調査又は検討させることができる。したがって、専門委員会の設置は、理事会の決議のみで行うことができる。
*標準管理規約55条1項

エ 理事会の決議のみで行うことができる。理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事のうちから、理事会で選任する。したがって、理事長と他の理事との職務を交代することも、理事会の決議のみで行うことができる。
*標準管理規約35条3項

以上より、理事会の決議のみで行うことができるのは、ウとエの二つであり、肢2が正解となる。


【解法のポイント】総会の決議事項と、理事会のみの決議で行うことができるものは、標準管理規約を読み込むときには意識しておいて下さい。そうでないと、本問のような問題(しかも個数問題)には、対応できなくなります。