下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 令和2年 問48

【問 48】 管理組合の財産の分別管理に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法によれば、正しいものの組合せはどれか。

ア マンション管理業者は、修繕積立金等金銭を収納口座で管理するにあたり、管理組合の収納口座の印鑑を保管する場合に、管理組合の承諾があれば、マンションの区分所有者等から徴収される1月分の修繕積立金等金銭の合計額以上の額につき有効な保証契約を締結する必要はない。

イ マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれていないときは、毎月、管理事務の委託を受けた当該管理組合のその月における会計の収入及び支出の状況に関する書面を作成し、翌月末日までに、当該書面を当該管理組合の区分所有者等に交付しなければならない。

ウ マンション管理業者は、修繕積立金等金銭を管理するにあたり、管理組合に管理者等が置かれていない場合で管理者等が選任されるまでの比較的短い期間を除き、保管口座又は収納・保管口座に係る管理組合等の印鑑、預貯金の引出用のカードその他これらに類するものを管理してはならない。

エ 収納・保管口座とは、マンションの区分所有者等から徴収された修繕積立金等金銭を預入し、預貯金として管理するための口座であって、管理組合等を名義人とするものをいう。

1 ア・イ
2 ア・ウ
3 イ・エ
4 ウ・エ

【解答及び解説】

【問 48】 正解 4

ア 誤り。マンション管理業者は、修繕積立金等金銭を収納口座で管理する場合にあっては、マンションの区分所有者等から徴収される1月分の修繕積立金等金銭等金銭の合計額以上の額につき有効な保証契約を締結していなければならない。ただし、マンション管理業者が、管理組合等を名義人とする収納口座に係る当該管理組合等の印鑑、預貯金の引出用のカードその他これらに類するものを「管理しない」場合は、保証契約の締結は不要であるが、本肢ではマンション管理業者は、管理組合の収納口座の印鑑を保管しているので、管理組合の承諾があったとしても、保証契約は必要である。
*マンション管理適正化法施行規則87条3項2号

イ 誤り。マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれていないときは、会計の収入及び支出の状況に関する書面の交付に代えて、対象月の属する当該管理組合の事業年度の終了の日から2月を経過する日までの間、当該書面をその事務所ごとに備え置き、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等の求めに応じ、当該マンション管理業者の業務時間内において、これを閲覧させなければならない。当該書面を当該管理組合の区分所有者等に交付する必要はない。
*マンション管理適正化法施行規則87条5項

ウ 正しい。マンション管理業者は、修繕積立金等金銭を管理する場合にあっては、保管口座又は収納・保管口座に係る管理組合等の印鑑、預貯金の引出用のカードその他これらに類するものを管理してはならない。ただし、管理組合に管理者等が置かれていない場合において、管理者等が選任されるまでの比較的短い期間に限り保管する場合は、この限りでない。
*マンション管理適正化法施行規則87条4項

エ 正しい。収納・保管口座とは、マンションの区分所有者等から徴収された修繕積立金等金銭を預入し、預貯金として管理するための口座であって、管理組合等を名義人とするものをいう。
*マンション管理適正化法施行規則87条6項3号


以上より、正しいものの組合せは、ウとエであり、肢4が正解となる。


【解法のポイント】財産の分別管理に関するマンション管理適正化法施行規則87条は、ややこしい規定ですが、一度しっかり勉強してしまえば、その条文から出題されますので、嫌がらずに取り組んで下さい。