下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 令和2年 問47

【問 47】 マンション管理業者Aが行う業務に関する次のア~エの記述のうち、マンション管理適正化法に違反するものを全て含む組合せは、次の1~4のうちどれか。

ア Aは、管理組合から委託を受けた管理事務に関する帳簿について、各事業年度の末日をもって閉鎖し、3年間保存した後に、これを廃棄した。

イ Aは、国土交通大臣に登録事項変更届出書により届出を行い、マンション管理業者登録簿に神奈川支店(従たる事務所)の登録を受けたが、すでに東京本店(主たる事務所)に標識が掲げられているため神奈川支店に標識を掲げることなくマンション管理業を行った。

ウ Aは、自己が区分所有者ではなく、かつ、管理者が区分所有者であるマンションの管理組合と管理委託契約を締結したため、当該管理組合の管理者に対して、遅滞なく、契約の成立時の書面を交付した。

エ Aは、管理組合から委託を受けた管理事務のうち、基幹事務の全てを当該管理組合の承諾を得て一括して他社に再委託した。

1 ア・イ
2 ア・ウ
3 ア・イ・エ
4 イ・ウ・エ

【解答及び解説】

【問 47】 正解 3

ア 違反する。マンション管理業者は、管理事務に関する帳簿を各事業年度の末日をもって閉鎖するものとし、閉鎖後「5年間」当該帳簿を保存しなければならない。
*マンション管理適正化法施行規則86条3項

イ 違反する。マンション管理業者は、その「事務所ごと」に、公衆の見やすい場所に、国土交通省令で定める標識を掲げなければならない。したがって、東京本店(主たる事務所)に標識が掲げられていたとしても。神奈川支店にも標識を掲げなければならない。
*マンション管理適正化法71条

ウ 違反しない。マンション管理業者は、管理組合から管理事務の委託を受けることを内容とする契約を締結したときは、当該管理組合の管理者等に対し、遅滞なく、一定の事項を記載した書面を交付しなければならない。
*マンション管理適正化法73条1項

エ 違反する。マンション管理業者は、管理組合から委託を受けた管理事務のうち基幹事務については、これを一括して他人に委託してはならない。
*マンション管理適正化法74条


以上より、マンション管理適正化法に違反するのは、ア、イ、エであり、肢3が正解となる。


【解法のポイント】この問題も非常に基本的なものです。