下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 令和2年 問36

【動画解説】法律 辻説法

【問 36】 管理所有に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 管理所有の主体は、区分所有権を有する管理者でなければならない。

2 管理所有の対象物は、共用部分、共有の建物、附属施設、敷地に限られる。

3 管理者が、その職務の範囲内の行為として、区分所有者の専有部分等の一時使用権を請求する場合には、当該管理者は管理所有者であることが必要である。

4 管理所有が成立するためには、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議と管理所有である旨の登記が必要である。

【解答及び解説】

【問 36】 正解 3

1 誤り。管理所有は、区分所有者が行う場合(区分所有法20条)と管理者が行う場合(区分所有法27条)があるが、管理者が管理所有を行う場合は、その管理者は区分所有者であることは要求されていない。
*区分所有法11条2項

2 誤り。管理所有の対象物は、共用部分とされており、共用部分とは、専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物及び規約共用部分とされた附属の建物をいうとされている。したがって、敷地が管理所有の対象となることはない。
*区分所有法20条、27条

3 正しい。管理者が管理所有をしている場合においては、区分所有法6条2項の規定が準用されているので、管理者が、その職務の範囲内の行為として、区分所有者の専有部分等の一時使用権を請求する場合には、当該管理者は管理所有者であることが必要である。
*区分所有法27条2項

4 誤り。管理所有が成立するためには、「規約」によることが必要なので、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要である。しかし、共用部分については権利の登記はされないので、管理所有による移転登記がなされるわけではない。したがって、管理所有である旨の登記はなされない。
*区分所有法20条、27条


【解法のポイント】この問題は、肢3と肢4が難しかったので、悩んだ方もいるかもしれませんが、肢4が間違いであることに気付いた方は、消去法で解答できたと思います。