下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 令和元年 問47

【問 47】 マンション管理業者が行うマンション管理適正化法第76条の規定に基づく財産の分別管理に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法によれば、最も不適切なものはどれか。

1 マンション管理業者は、マンション管理適正化法施行規則第87条第2項第1号イに定める方法により修繕積立金等金銭を管理する場合にあっては、原則、保管口座に係る管理組合等の印鑑、預貯金の引出用のカードその他これらに類するもの(以下、本肢において「印鑑等」という。)を管理してはならないが、管理者から依頼を受けた場合は、一時的に当該保管口座の印鑑等を管理することができる。

2 マンション管理業者は、マンション管理適正化法施行規則第87条第3項に基づき保証契約を締結しなければならない場合において、管理委託契約の契約期間の途中に当該保証契約の期間が満了するときは、当該保証契約の更新等を行う必要がある。

3 分別管理の対象となる財産とは、管理組合から委託を受けて修繕積立金として管理する金銭又は有価証券及び管理組合又はマンションの区分所有者等から受領した管理費用に充当する金銭又は有価証券である。

4 マンション管理業者は、管理組合から委託を受けて有価証券を管理する場合においては、金融機関又は証券会社に、当該有価証券の保管場所を自己の固有財産及び他の管理組合の財産である有価証券の保管場所と明確に区分させ、かつ、当該有価証券が受託契約を締結した管理組合の有価証券であることを判別できる状態で管理させなければならない。

【解答及び解説】

【問 47】 正解 1

1 不適切。マンション管理業者は、第87条2項1号イからハまでに定める方法により修繕積立金等金銭を管理する場合にあっては、保管口座又は収納・保管口座に係る管理組合等の印鑑、預貯金の引出用のカードその他これらに類するものを管理してはならない。ただし、管理組合に管理者等が置かれていない場合において、「管理者等が選任されるまでの比較的短い期間に限り」保管する場合は、この限りでない。単に「管理者から依頼を受けた」というだけで、マンション管理業者が管理することはできない。
*マンション管理適正化法施行規則87条4項

2 適切。マンション管理業者は、第87条2項1号イ又はロに定める方法により修繕積立金等金銭を管理する場合にあっては、マンションの区分所有者等から徴収される1月分の修繕積立金等金銭又は第1項に規定する財産の合計額以上の額につき有効な保証契約を締結していなければならない。したがって、管理委託契約の契約期間の途中で保証契約の期間が満了する場合には、当該保証契約の更新等をしなければならない(標準管理委託契約書⑥別表第1、1(2)関係コメント)。
*マンション管理適正化法施行規則87条3項

3 適切。分別管理の対象となる財産は、管理組合から委託を受けて管理する修繕積立金、管理組合又はマンションの区分所有者等から受領した管理費用に充当する金銭又は有価証券である。
*マンション管理適正化法76条、同法施行規則87条1項

4 適切。マンション管理業者は、管理組合から委託を受けて管理する修繕積立金等が有価証券である場合、金融機関又は証券会社に、当該有価証券の保管場所を自己の固有財産及び他の管理組合の財産である有価証券の保管場所と明確に区分させ、かつ、当該受託有価証券が受託契約を締結した管理組合の有価証券であることを判別できる状態で管理させる方法により管理しなければならない。
*マンション管理適正化法施行規則87条2項2号


【解法のポイント】財産の分別管理の問題は、文章も長く大変ですが、この問題は、肢1が正解だと比較的簡単に分かったのではないかと思います。