下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 令和元年 問42

【動画解説】法律 辻説法

【問 42】 Aが所有するマンションの一住戸について、自らを貸主とし、借主Bと、期間を5年とする定期建物賃貸借契約(以下、本問において「本件契約」という。)を締結しようとする場合に関する次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1 本件契約において、相互に賃料の増減額請求をすることはできない旨の特約は無効である。

2 Aは、本件契約を締結するに当たり、あらかじめBに対し、本件契約期間満了後の更新はなく終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならないが、本件契約書に明確にその旨が記載され、Bがその内容を認識しているときは、説明をしなくてもよい。

3 本件契約の期間を6箇月とした場合においては、本件契約は期間の定めのない契約とみなされる。

4 本件契約の目的が、事業用のものであるか否かにかかわらず、公正証書による等書面によりしなければならない。

【解答及び解説】

【問 42】 正解 4

1 誤り。借賃増減請求権の規定は、定期建物賃貸借において、借賃の改定に係る特約がある場合には、適用されない。したがって、相互に賃料の増減額請求をすることはできない旨の特約も有効である。
*借地借家法38条9項

2 誤り。定期建物賃貸借においては、契約前に契約の更新がない旨の説明をし、契約時に書面によって更新がない旨の記載をする必要がある。これは両方が必ず必要であり、借主になる者がその内容を認識していたとしても同様である。
*借地借家法38条3項

3 誤り。通常の建物賃貸借においては、期間を1年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなされるが、この規定は定期建物賃貸借においては適用がなく、6ヶ月の約定もそのまま有効である。
*借地借家法38条1項

4 正しい。期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。これは、契約の目的が事業用のものであるか否かにかかわらない。
*借地借家法38条1項


【解法のポイント】定期建物賃貸借は非常によく出題されますので、必ず準備しておいて下さい。