下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 令和元年 問39

【動画解説】法律 辻説法

【問 39】 次のア~エの文を正しく並べると、理事長の解任に関する最高裁判所の判決文の一部となるが、正しい順番に並べたものは1~4のうちどれか。

ア これは、理事長を理事が就く役職の1つと位置付けた上、総会で選任された理事に対し、原則として、その互選により理事長の職に就く者を定めることを委ねるものと解される。

イ そうすると、このような定めは、理事の互選により選任された理事長について理事の過半数の一致により理事長の職を解き、別の理事を理事長に定めることも総会で選任された理事に委ねる趣旨と解するのが、本件規約を定めた区分所有者の合理的意思に合致するというべきである。

ウ そして、本件規約は、理事長を区分所有法に定める管理者とし(43条2項)、役員である理事に理事長等を含むものとした上(40条1項)、役員の選任及び解任について総会の決議を経なければならない(53条13号)とする一方で、理事は、組合員のうちから総会で選任し(40条2項)、その互選により理事長を選任する(同条3項)としている。

エ 区分所有法は、集会の決議以外の方法による管理者の解任を認めるか否か及びその方法について区分所有者の意思に基づく自治的規範である規約に委ねているものと解される。

1 ア、イ、ウ、エ
2 イ、ア、ウ、エ
3 ウ、ア、イ、エ
4 エ、ウ、ア、イ

【解答及び解説】

【問 39】 正解 4

まず、ア、イ、ウはそれぞれ接続詞や指示語で始まっているが、エのみはそのような語がないので、先頭に来るのではないかと推測が付くが、エは内容的にも一般論であり、先頭に来やすいと思われる。エは、管理者の解任は規約に委ねられているという趣旨の文章である。
次に、アは、理事長は理事の互選で選任できるという趣旨の文章であるが、先頭の「これは」というのは、イ、ウ、エのうち、ウの理事の互選により理事長を選任するという文章が適当である。したがって、ウ→アという流れになる。
次に、イは理事の互選により選任された理事長を、理事の過半数で理事長の職を解けるという趣旨の文章であるが、文中の「このような定め」というのは、理事の互選により理事長を選任できるという「ウ→ア」の次に来るのが適当である。(最判平29.12.18)
以上より、エ→ウ→ア→イの順となり、肢4が正解となる。


【解法のポイント】本問は、文章が法律の文章で、区分所有法の知識があれば解きやすいというだけで、現代国語のような問題です。知識を問うているわけではないので、落ち着いて問題文を読んで解答して下さいとしかいいようがないと思います。