下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 平成30年 問50

【問 50】 マンション管理業者が行うマンション管理適正化法第77条の規定に基づく管理事務の報告に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法によれば、誤っているものはいくつあるか。

ア マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれていないときは、定期に、説明会を開催し、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等に対し、管理業務主任者をして、当該管理事務に関する報告をさせなければならない。

イ 管理業務主任者は、管理事務の報告を行うときは、その相手方から求められなければ、管理業務主任者証を提示する必要はない。

ウ マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれているときは、管理事務の報告を行う場合、報告の対象となる期間、管理組合の会計の収入及び支出の状況のほか、管理受託契約の内容に関する事項を記載した管理事務報告書を作成し、管理業務主任者をして、これを管理者等に交付して説明をさせなければならない。

エ マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれていないときは、管理事務に関する報告の説明会の開催日の1週間前までに、当該説明会の開催の日時及び場所について、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等の見やすい場所に掲示しなければならない。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

【解答及び解説】

【問 50】 正解 1

ア 正しい。マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれていないときは、国土交通省令で定めるところにより、定期に、説明会を開催し、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等に対し、管理業務主任者をして、当該管理事務に関する報告をさせなければならない。
*マンション管理適正化法77条2項

イ 誤り。管理業務主任者は、管理事務の報告を行うときは、説明の相手方に対し、管理業務主任者証を提示しなければならない。
*マンション管理適正化法77条3項

ウ 正しい。マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれているときは、管理事務を委託した管理組合の事業年度終了後、遅滞なく、当該期間における管理受託契約に係るマンションの管理の状況について、報告の対象となる期間、管理組合の会計の収入及び支出の状況、そのほか、管理受託契約の内容に関する事項を記載した管理事務報告書を作成し、管理業務主任者をして、これを管理者等に交付して説明をさせなければならない。
*マンション管理適正化法施行規則88条

エ 正しい。マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれていないときは、管理事務に関する報告の説明会の開催日の1週間前までに説明会の開催の日時及び場所について、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等の見やすい場所に掲示しなければならない。
*マンション管理適正化法施行規則89条3項


以上より、誤っているものは、イのみの一つであり、肢1が正解となる。


【解法のポイント】この問題は、管理事務の報告の条文を順繰りに問うているだけであり、基本的なものでした。


【正解番号の訂正について】
合格発表時の正解番号の公表に際して、ウについては、正しいとも誤りともとれる余地があるため、1及び2のいずれも正解として取り扱うこととする旨の発表がありました。

ウの問題文において、原文では下記の赤字の部分が抜けていました。

「マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれているときは、管理事務の報告を行う場合、報告の対象となる期間、管理組合の会計の収入及び支出の状況のほか、管理受託契約の内容に関する事項を記載した管理事務報告書を作成し、管理業務主任者をして、これを管理者等に交付して説明をさせなければならない。」

そのために「誤り」ととれる余地が生じたということだと思います。しかし、些細な間違いのため、本ホームページでは、原文を直した上で、正解を肢1として対処しています。