下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。
管理業務主任者 過去問解説 平成29年 問44
【問 44】 区分所有者Aが、自己所有のマンションの専有部分についてBと定期建物賃貸借契約(以下、本問において「本件契約」という。)を締結する場合に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 本件契約は、公正証書によってしなければならない。
2 本件契約は、期間を1年未満とすることもできる。
3 本件契約を締結するに当たり、Aが、あらかじめBに対し、期間満了により当該建物の賃貸借が終了し、契約の更新がないことについて書面を交付して説明しなかった場合には、契約の更新がないこととする旨の本件契約の定めは無効となる。
4 本件契約においては、相互に賃料の増減額請求をすることはできない旨の特約は有効である。
【解答及び解説】
【問 44】 正解 1
1 誤り。期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による「等」書面によって契約をするときに限り、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。公正証書でなくても、書面で契約すればよい。
*借地借家法38条1項
2 正しい。期間を1年未満とする通常の建物賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなされているが(借地借家法29条1項)、この規定は定期建物賃貸借には適用されないので、期間を1年未満とすることもできる。
*借地借家法38条1項
3 正しい。定期建物賃貸借を締結しようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。そして、建物の賃貸人がこの説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。
*借地借家法38条5項
4 正しい。借賃増減請求権の規定は、定期建物賃貸借において、借賃の改定に係る特約がある場合には、適用しないとされているので、相互に賃料の増減額請求をすることはできない旨の特約は有効である。
*借地借家法38条9項
【解法のポイント】この問題は、肢1がいきなり正解で簡単だったと思います。