下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 平成29年 問10

【問 10】 管理組合Aが、区分所有者Bに対してマンションの滞納管理費を請求するために、民事訴訟法に定められている「少額訴訟」を利用する場合に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 AとBは、口頭弁論が続行された場合を除き、第1回口頭弁論期日前又はその期日において、すべての主張と証拠を提出しなければならない。

2 Bは、所定の時期までは、少額訴訟を通常の訴訟手続に移行させる旨の申述をすることができる。

3 Aが、同一の年に同一の簡易裁判所において、少額訴訟による審理及び裁判を求めることができる回数には制限がある。

4 A又はBが、少額訴訟の終局判決に対する不服申立てをするには、地方裁判所に控訴をしなければならない。

【解答及び解説】

【問 10】 正解 4

1 正しい。少額訴訟において、当事者は、第1回口頭弁論の期日前又はその期日において、すべての攻撃又は防御の方法(主張と証拠のこと)を提出しなければならない。ただし、口頭弁論が続行されたときは、この限りでない。
*民事訴訟法370条2項

2 正しい。被告は、訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述をすることができる。ただし、被告が最初にすべき口頭弁論の期日において弁論をし、又はその期日が終了した後は、この限りでない。
*民事訴訟法373条1項

3 正しい。少額訴訟による審理及び裁判は、同一の簡易裁判所において同一の年に10回を超えてこれを求めることができない。
*民事訴訟法368条1項

4 誤り。少額訴訟の終局判決に対しては、控訴をすることができない。少額訴訟の終局判決に対しては、その判決をした裁判所(簡易裁判所)に異議を申し立てることができるだけである。
*民事訴訟法377条


【解法のポイント】少額訴訟は、一定の頻度で出題されていますので、必ず勉強しておく必要のある範囲です。民事訴訟法の該当の条文数も多くないので、出題されれば、確実に正解したい問題です。本問もそのような問題でした。