下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 平成29年 問7

【問 7】 次の記述のうち、標準管理委託契約書の定めによれば、最も不適切なものはどれか。

1 管理業者(マンション管理適正化法第2条第8号に規定する者をいう。以下同じ。)は、管理事務(マンション管理適正化法第2条第6号に規定するものをいう。以下同じ。)を行うため必要があるときは、管理組合の組合員及びその所有する専有部分の占有者(以下「組合員等」という。)に対して、その専有部分又は専用使用部分への立入りを請求することができる。

2 管理業者は、地震等の災害により、管理組合のために、緊急に行う必要がある業務で、管理組合の承認を受ける時間的な余裕がないものについては、管理組合の承認を受けないで実施することができるが、この場合において、管理業者は、速やかに、書面をもって、その業務の内容及び実施に要した費用の額を管理組合に通知しなければならない。

3 管理業者は、火災等の事故(管理業者の責めによらない場合に限る。)により管理組合又は管理組合の組合員等が受けた損害について、その損害額が一定額を超えるときは、その一定額を超える損害部分については、賠償する責任を負わない。

4 管理業者は、管理事務を行うため必要なときは、管理組合の組合員等に対し、管理組合に代わって、建物の保存に有害な行為の中止を求めることができるが、管理業者が中止を求めても、なお管理組合の組合員等がその行為を中止しないときは、管理業者は、書面をもって管理組合にその内容を報告すれば、管理業者はその責めを免れる。

【解答及び解説】

【問 7】 正解 3

1 適切。管理業者は、管理事務を行うため必要があるときは、管理組合の組合員等に対して、その専有部分又は専用使用部分への立入りを請求することができる。
*標準管理委託契約書14条1項

2 適切。管理業者は、地震、台風等の災害又は事故等の事由により、管理組合のために、緊急に行う必要がある業務で、管理組合の承認を受ける時間的な余裕がないものについては、管理組合の承認を受けないで実施することができる。この場合において、管理業者は、速やかに、書面をもって、その業務の内容及びその実施に要した費用の額を管理組合に通知しなければならない。
*標準管理委託契約書9条1項

3 不適切。管理業者は、管理組合又は管理組合の組合員等が、火災、漏水等の災害又は事故等(管理業者の責めによらない場合に限る。)による損害を受けたときは、その損害を賠償する責任を負わないものとする。このような場合は、管理業者は全く責任を負わないのであり、一定額を超える損害部分についてのみ賠償する責任を負わないということではない。
*標準管理委託契約書19条

4 適切。管理業者は、管理事務を行うため必要なときは、管理組合の組合員及びその所有する専有部分の占有者に対し、管理組合に代わって、有害な行為の中止を求めることができる。そして、管理業者は、有害行為の中止を求めても、なお組合員等がその行為を中止しないときは、書面をもって管理組合にその内容を報告しなければならない。この報告を行った場合、管理業者はさらなる中止要求の責務を免れるものとし、その後の中止等の要求は管理組合が行うものとする。
*標準管理委託契約書12条4項


【解法のポイント】この問題は、標準管理委託契約書の条文の知識を問う基本的な問題です。標準管理委託契約書は別表などの難解な問題も出題されますが、この問題は基本です。