下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 平成29年 問5

【動画解説】法律 辻説法

【問 5】 AとBが、連帯債務者としてCから5,000万円の融資を受け、甲マンションの一住戸を購入した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 Cが、Aに対し5,000万円の弁済を請求したとしても、これにより、Bも5,000万円の弁済の請求を受けたことにはならない。

2 Bが、Cに対し、自己の300万円の反対債権をもって相殺する旨の意思表示をしたときは、これにより、300万円の範囲でAとBはともに債務を免れる。

3 Cに対するAとBの連帯債務につき、Dが保証人となる旨の保証契約は、CとDの口頭による合意で成立する。

4 Aが、Cに対し5,000万円を弁済したときは、Aは、Bに対し、その負担部分について求償することができる。

【解答及び解説】

【問 5】 正解 3

1 正しい。連帯債務者の一人に対する履行の請求は、他の連帯債務者に対して、その効力を生じない(相対効)。したがって、Cが、Aに対し弁済を請求したとしても、Bも弁済の請求を受けたことにはならない。
*民法441条

2 正しい。連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合において、その連帯債務者が相殺を援用したときは、債権は、すべての連帯債務者の利益のために消滅する。したがって、Bが、Cに対し相殺の意思表示をすれば、その範囲でAとBはともに債務を免れる。
*民法439条1項

3 誤り。保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。口頭による保証契約は認められていない。
*民法446条2項

4 正しい。連帯債務者の一人が弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得たときは、他の連帯債務者に対し、その免責を得るために支出した財産の額のうち各自の負担部分に応じた額の求償権を有する。
*民法442条1項


【解法のポイント】本問は、連帯債務の問題の中に保証契約の肢が混入していますが、保証契約は書面でしなければならないという知識は、保証契約の中でも最も基本的な知識の一つです。