下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。
管理業務主任者 過去問解説 平成28年 問50
【問 50】 マンション管理業者A(以下、本問において「A」という。)が、管理組合から管理事務を受託する際に、マンション管理適正化法第72条の規定に基づく重要事項の説明を行う場合に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定に違反するものはどれか。
1 Aは、人の居住の用に供する独立部分(区分所有法第1条に規定する建物の部分をいう。)の数が5戸であるマンションの管理組合Bと管理受託契約を新たに締結しようとするときに、重要事項の説明会を開催したが、管理業務主任者ではないAの事務所の代表者をして重要事項について説明させた。
2 Aは、管理受託契約の更新について、管理者の置かれていない管理組合Cに申し出たが、当該管理受託契約の有効期間が満了する日までに更新に関する協議がととのう見込みがなかったため、当該管理受託契約と契約内容が同一で契約期間を3月間に短縮した暫定契約を締結することとしたが、区分所有者の全員に対し重要事項を記載した書面を交付したのみで、重要事項の説明会を開催しなかった。
3 Aは、契約期間を3月間とする暫定契約を、管理者の置かれている管理組合Dと締結していたが、その後、当該暫定契約の有効期間が満了する日までに管理組合Dとの協議をととのえ、あらためて当該暫定契約前の契約と、契約内容及び契約期間1年間を同一とする管理受託契約を締結することとしたが、区分所有者及び管理者の全員に対し重要事項を記載した書面を交付したのみで、重要事項の説明会を開催しなかった。
4 Aは、管理受託契約の更新について、管理組合法人Eに申し出て、従前の管理受託契約と同一の条件で契約を更新することとなったが、区分所有者及び理事の全員に対し重要事項を記載した書面を交付する際に、専任ではない管理業務主任者をして当該書面に記名をさせた。
【解答及び解説】
【問 50】 正解 3
1 違反しない。マンション管理業者は、人の居住の用に供する独立部分の数が5戸以下であるマンションの管理事務については、管理業務主任者に代えて、当該事務所を代表する者又はこれに準ずる地位にある者をして、管理業務主任者としてすべき事務を行わせることができる。
*マンション管理適正化法78条
2 違反しない。マンション管理業者は、従前の管理受託契約と同一の条件で管理組合との管理受託契約を更新しようとするときは、あらかじめ、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等全員に対し、重要事項を記載した書面を交付しなければならない。この場合には、説明会の開催は要求されていない。
*マンション管理適正化法72条2項
3 違反する。マンション管理業者は、従前の管理受託契約と「同一の条件」で管理組合との管理受託契約を更新しようとするときは、あらかじめ、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等全員に対し、重要事項を記載した書面を交付しなければならないが、説明会の開催は要求されていない。しかし、同一の条件とは、従前の管理受託契約に比して更新後の契約期間を短縮しようとする場合などであり、3月から1年に延ばすような場合は含まれておらず、このような場合は、原則どおり説明会の開催が必要である。
*マンション管理適正化法72条2項
4 違反しない。マンション管理業者は、重要事項を記載した書面を作成するときは、管理業務主任者をして、当該書面に記名させなければならないが、管理業務主任者は専任であることまでは要求されていない。
*マンション管理適正化法72条5項
【解法のポイント】重要事項の説明は、管理業務主任者の事務として重要なものであり、当然本試験でもよく出題されます。正解肢の肢3は、過去にも出題されている通達からの出題で、できて欲しい問題です。