下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 平成28年 問48

【問 48】 マンション管理業者A(以下、本問において「A」という。)が、管理受託契約を締結している管理組合B(以下、本問において「B」という。)に、マンション管理適正化法第77条の規定に基づく管理事務の報告を行う場合に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法及び民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律によれば、最も適切なものはどれか。

1 Aは、Bの事業年度終了後、遅滞なく、管理事務報告書を作成し、Bの管理者の承諾を得た上で、当該報告書を電磁的方法により当該管理者に交付した。

2 Aは、Bに管理者が置かれていないため、管理事務の報告のための説明会の開催に代えて、管理事務報告書をAの事務所に備え置き、Bの区分所有者等の求めに応じてこれを閲覧させた。

3 Aは、毎月、マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則(以下、「マンション管理適正化法施行規則」という。)第87条第5項に規定するBのその月の会計の収入及び支出の状況に関する書面を作成し、Bの管理者に交付していたことから、Bの事業年度に係る会計の収入及び支出の状況については管理事務の報告を行わなかった。

4 Aの従業者である管理業務主任者Cは、管理事務の報告を行う際に、Bの管理者から提示を求められなかったが、携帯していた管理業務主任者証を提示した。

【解答及び解説】

【問 48】 正解 4

1 不適切。民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律第6条により電磁的記録による交付が認められている書面には、マンション管理適正化法87条5項の書面は含まれているが、管理事務報告書は含まれていないので、電磁的記録による管理事務報告書の交付は認められない。
*国土交通省の所管する法令に係る民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律施行規則 別表第四

2 不適切。マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれていないときは、定期に、「説明会を開催し」、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等に対し、管理業務主任者をして、当該管理事務に関する報告をさせなければならない。説明会に代えて、管理事務報告書の閲覧で済ませることはできない。
*マンション管理適正化法77条2項

3 不適切。マンション管理業者は、管理受託契約に係るマンションの管理の状況について「管理組合の会計の収入及び支出の状況」を記載した管理事務報告書を作成しなければならず、それはマンション管理適正化法施行規則第87条第5項に規定する書面とは別個のものであり、管理事務の報告は必要である。
*マンション管理適正化法施行規則88条

4 適切。管理業務主任者は、管理事務の報告をするときは、説明の相手方に対し、管理業務主任者証を提示しなければならない。これは管理者から提示を求められなかった場合でも同様である。
*マンション管理適正化法77条3項


【解法のポイント】肢1は、細かいというのか、難しい問題を出題しましたね。気にしなくていいでしょう。肢1は保留で、肢4が正解と分かればいいでしょう。