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管理業務主任者 過去問解説 平成28年 問47

【問 47】 マンション管理業者A(以下、本問において「A」という。)は、管理組合B(以下、本問において「B」という。)と管理委託契約を締結し、Bの管理事務を行っているが、この業務に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法に違反するものはどれか。

1 Aは、Bとの管理委託契約の有効期間中に、マンション管理業(マンション管理適正化法第2条第7号に規定するものをいう。)を廃止し、その旨を国土交通大臣に届け出たが、Bとの管理委託契約の期間が満了する日まで、当該管理委託に係る管理事務を結了する目的の範囲内における業務を行った。

2 Aは、Bから委託を受けた管理事務について、帳簿を作成し、その事務所に備え置いていたが、事務所に備え置いてから3年を経過したことから、当該帳簿を処分した。

3 Aは、その業務及び財産の状況を記載した書類をその事務所に備え置いていたが、Bの組合員から当該書類の閲覧を求められたため、これを閲覧させた。

4 Bから管理事務の委託を受けたAの事務所の成年者である専任の管理業務主任者(マンション管理適正化法第2条第9号に規定する者をいう。以下同じ。)はCのみであったが、Bとの管理委託契約の有効期間中に、Cが急に退職したため、Cが退職した日の10日後に、Aは、成年者である専任の管理業務主任者を新たに設置した。

【解答及び解説】

【問 47】 正解 2

1 違反しない。マンション管理業者の登録がその効力を失った場合には、当該マンション管理業者であった者又はその一般承継人は、当該マンション管理業者の管理組合からの委託に係る管理事務を結了する目的の範囲内においては、なおマンション管理業者とみなす。したがって、廃業後でも、管理事務を結了する目的の範囲内においては業務を行ってよい。
*マンション管理適正化法89条

2 違反する。マンション管理業者は、帳簿を各事業年度の末日をもって閉鎖するものとし、閉鎖後「5年間」当該帳簿を保存しなければならない。
*マンション管理適正化法施行規則86条3項

3 違反しない。マンション管理業者は、当該マンション管理業者の業務及び財産の状況を記載した書類をその事務所ごとに備え置き、その業務に係る関係者の求めに応じ、これを閲覧させなければならない。
*マンション管理適正化法79条

4 違反しない。マンション管理業者は、その事務所ごとに、法定の数の成年者である専任の管理業務主任者を置かなければならない。マンション管理業者の既存の事務所がこの規定に抵触するに至ったときは、「2週間」以内に、この規定に適合させるため必要な措置をとらなければならない。したがって、10日後に成年者である専任の管理業務主任者を設置していれば、マンション管理適正化法に違反しない。
*マンション管理適正化法56条3項


【解法のポイント】管理業務主任者の試験ですから、マンション管理適正化法でも管理業務主任者の知識は必須です。本問は基本的なものだったと思います。