下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。
管理業務主任者 過去問解説 平成28年 問11
【問 11】 マンションの管理費の滞納に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1 管理費を滞納している区分所有者が、当該住戸を売却した場合、買主は、売買契約の締結時に滞納の事実を知らなかったとしても、当該滞納管理費の支払義務を負う。
2 規約に管理費に関する遅延損害金を定める場合は、民法所定の法定利率を超えて定めることはできない。
3 管理費を滞納している区分所有者が、裁判所に民事再生手続開始の申立てをした場合、当該区分所有者はその申立てにより滞納管理費の支払義務を免れる。
4 管理費を滞納している区分所有者が、当該住戸を贈与した場合、受贈者が滞納管理費の支払義務を負い、当該区分所有者はその義務を免れる。
【解答及び解説】
【問 11】 正解 1
1 適切。管理費に関する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる。これは、特定承継人が滞納の事実を知らなかった場合でも同様である。
*区分所有法8条
2 不適切。管理費のような金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、法定利率によって定めるが、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による。
*民法419条1項
3 不適切。「再生計画認可の決定が確定」したときは、一定の権利を除き、再生債務者は、すべての再生債権について、その責任を免れる。民事再生手続開始の申立てをしただけでは、免責されない。
*民事再生法178条1項
4 不適切。管理費に関する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができるが、贈与における受贈者も特定承継人であり、受贈者は滞納管理費の支払義務を負うという点は正しい。しかし、この場合でも、贈与者である区分所有者が、管理費の支払義務を免れることはなく、両者が支払義務を負う。
*区分所有法8条
【解法のポイント】この問題は、滞納の問題としては、基本的な肢が並んでいました。