下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 平成28年 問8

【問 8】 次の記述のうち、標準管理委託契約書によれば、適切なものの組み合わせはどれか。

ア 管理業者は、管理委託契約の契約期間が1年である場合において、3年ごとに実施する特定建築物定期調査のように、当該管理委託契約の契約期間をまたいで実施する管理事務(マンション管理適正化法第2条第6号に規定するものをいう。以下同じ。)を定額委託業務費に含める場合は、実施時期や費用を管理組合に明示するとともに、当該管理事務を実施しない場合の精算方法をあらかじめ明らかにすべきである。

イ 管理業者が行う管理事務の内容に、警備業法に定める警備業務、消防法に定める防火管理者が行う業務及び浄化槽法に定める水質検査の業務は含まれない。

ウ 管理業者が行う管理事務の対象となる部分は、管理規約により管理組合が管理すべき部分のうち、管理業者が受託して管理する部分であり、専用使用部分(バルコニー、トランクルーム、専用庭等)については、管理組合が管理すべき部分の範囲内において、管理業者が管理事務を行う。

エ 管理業者は、管理組合の債務不履行を理由に管理委託契約を解除する場合を除き、契約期間の中途において、管理委託契約を解約することはできない。

1 ア・ウ
2 ア・エ
3 イ・ウ
4 イ・エ

【解答及び解説】

【問 8】 正解 1

ア 適切。3年ごとに実施する特定建築物定期調査のように、契約期間をまたいで実施する管理事務の取扱いについては、本契約と別個の契約とする方法、定額委託業務費に含める方法又は定額委託業務費以外の費用に含める方法が考えられる。定額委託業務費に含める場合には、実施時期や費用を明示し、管理事務を実施しない場合の精算方法をあらかじめ明らかにすべきである。
*標準管理委託契約書6条関係コメント⑤

イ 不適切。管理委託契約では、警備業法に定める警備業務、消防法に定める防火管理者が行う業務は、管理事務に含まれないが、浄化槽法に定める水質検査の業務は、建物・設備等管理業務として管理事務に含まれている。
*標準管理委託契約書 別表第4

ウ 適切。管理業者が行う管理対象部分とは、管理規約により管理組合が管理すべき部分のうち、管理業者が受託して管理する部分をいい、専用使用部分(バルコニー、トランクルーム、専用庭等)については、管理組合が管理すべき部分の範囲内において管理業者が管理事務を行う。
*標準管理委託契約書2条関係コメント①②

エ 不適切。管理組合又は管理業者は、債務不履行を理由に管理委託契約を解除する場合等以外でも、その相手方に対し、少なくとも3月前に書面で解約の申入れを行うことにより、本契約を終了させることができる。
*標準管理委託契約書21条

以上より、適切なものは、ア及びウであり、肢1が正解となる。


【解法のポイント】本問も、肢アと肢イは細かい問題でした。