下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 平成27年 問44

【動画解説】法律 辻説法

【問 44】 区分所有者であるAが、自己所有のマンションの専有部分を、居住目的で、借主であるBと期間3年の定期建物賃貸借(以下、本問において「本件契約」という。)を締結した場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 賃貸借は諾成契約であるので、本件契約の締結には、当事者の口頭による合意があれば足り、書面の作成は不要である。

2 Aは、本件契約の締結に先立って、Bに対し、当該賃貸借は契約の更新がなく、契約期間の満了により終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。

3 Aは、本件契約の期間が満了する1年前から6月前までの間に、Bに対し、本件契約が終了する旨の通知をしなければならず、この通知は書面でしなければ効力を生じない。

4 本件契約の期間が満了する前に、Bが死亡した場合、Bに相続人がいる場合でも、本件契約は終了する。

【解答及び解説】

【問 44】 正解 2

1 誤り。期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、「公正証書による等書面によって契約をするときに限り」、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。
*借地借家法38条1項

2 正しい。定期建物賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。
*借地借家法38条3項

3 誤り。定期建物賃貸借において、期間が1年以上である場合には(本問は期間3年)、建物の賃貸人は、期間の満了の1年前から6月前までの間に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。この通知については、書面で行うことは要求されていない。
*借地借家法38条6項

4 誤り。定期建物賃貸借は、更新がないこと以外は、通常の賃貸借であり、賃借人が死亡した場合は、賃借権は相続人に相続される。


【解法のポイント】肢3と肢4は、あまり一般的な問い方ではありませんが、肢2は絶対に覚えておくべき事項なので、確実に正解して下さい。