下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 平成27年 問24

【問 24】 エレベーターに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 乗用エレベーター(人荷共用エレベーターを含み、寝台用エレベーターを除く。)は、かごの床面積が大きくなるほど、単位面積当たりの積載荷重が小さい値になるよう、建築基準法施行令で定められている。

2 乗用のトラクション方式ロープ式で機械室がないエレベーターでは、定格速度が毎分600m以上の高速なものが既に普及している。

3 近年の地震による閉じ込め事故の多発が契機となり、エレベーターの構造等に関する建築基準法施行令等の改正により、新築建物のエレベーターには地震時管制運転装置を設けなければならないこととなった。

4 エレベーターの保守契約にはFM(フルメンテナンス)契約とPOG(パーツ・オイル・グリース)契約があるが、マンション標準管理委託契約書では、FM契約によることとされている。

【解答及び解説】

【問 24】 正解 3

1 不適切。建築基準法施行令によると、乗用エレベーターは、かごの床面積が大きくなるほど、単位面積当たりの積載荷重が「大きい」値になるよう定められている。
*建築基準法施行令129条の5第2項

2 不適切。ロープ式のエレベーターのうち、トラクション式は、釣合おもりを使用したものであるが、定格速度が毎分600m以上の高速なものはあまり普及していない。

3 適切。エレベーターには、地震その他の衝撃により生じた国土交通大臣が定める加速度を検知し、自動的に、かごを昇降路の出入口の戸の位置に停止させ、かつ、当該かごの出入口の戸及び昇降路の出入口の戸を開き、又はかご内の人がこれらの戸を開くことができることとする装置(地震時管制運転装置)を設けなければならない。
*建築基準法施行令129条の10第3項2号

4 不適切。標準管理委託契約書によると、エレベーター設備の保守管理方式については、一般的にフルメンテナンス方式とPOG方式の2種類があるため、両方式のいずれかを選択する、となっており、FM契約と決められているわけではない。
*標準管理委託契約書別表第4関係コメント②


【解法のポイント】正解肢の肢3は、何年か前の改正に関する問題です。法改正関係は気を付けておいた方がいいということでしょう。肢4は、標準管理委託契約書の中でも、あまり目を通すことの少ない部分だと思いますので、注意しておいて下さい。