下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 平成27年 問17

【問 17】 鉄筋コンクリート造に関する次の記述のうち、建築基準法(昭和25年法律第201号)によれば、誤っているものはどれか。

1 主筋の継手の重ね長さは、継手を構造部材における引張力の最も小さい部分以外の部分に設ける場合にあっては、国土交通大臣が定めた構造方法を用いる場合を除き、主筋の径の10倍以上としなければならない。

2 コンクリートの養生における温度管理については、凝結及び硬化を促進するための特別の措置を講じない場合、コンクリート打込み中及び打込み後5日間は、コンクリートの温度が2℃を下らないようにしなければならない。

3 構造耐力上主要な部分である「はり」は、複筋ばりとし、これにあばら筋をはりの丈の4分の3(臥梁にあっては30cm)以下の間隔で配置しなければならない。

4 布基礎の立上り部分を除いた基礎においては、鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さは、捨コンクリートの部分を除き、6cm以上としなければならない(国土交通大臣が定めた構造方法を用いる部材及び国土交通大臣の認定を受けた部材を除く。)。

【解答及び解説】

【問 17】 正解 1

1 誤り。主筋又は耐力壁の鉄筋の継手の重ね長さは、継手を引張り力の最も小さい部分「以外」の部分に設ける場合にあっては、主筋等の径の「40倍」以上としなければならない。ただし、国土交通大臣が定めた構造方法を用いる継手にあっては、この限りでない。
*建築基準法施行令73条2項

2 正しい。コンクリート打込み中及び打込み後5日間は、コンクリートの温度が2度を下らないようにし、かつ、乾燥、震動等によってコンクリートの凝結及び硬化が妨げられないように養生しなければならない。ただし、コンクリートの凝結及び硬化を促進するための特別の措置を講ずる場合においては、この限りでない。
*建築基準法施行令75条

3 正しい。構造耐力上主要な部分であるはりは、複筋ばりとし、これにあばら筋をはりの丈の4分の3(臥梁にあっては、30センチメートル)以下の間隔で配置しなければならない。
*建築基準法施行令78条

4 正しい。鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さは、基礎(布基礎の立上り部分を除く。)にあっては捨コンクリートの部分を除いて6センチメートル以上としなければならない。
*建築基準法施行令79条


【解法のポイント】管理業務主任者の試験においては(マンション管理士もですが)、コンクリートは頻出事項です。本問は、細かい数字も出題されて困るところですが、建築基準法施行令の鉄筋コンクリート造の部分は、第71条~第79条までと、比較的少ない条文数ですから、一度は見ておいた方がいいみたいです。