下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 平成27年 問8

【問 8】 宅地建物取引業者(宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)第2条第3号に規定する者をいう。以下、本試験問題において同じ。)が、管理組合の組合員から、当該組合員が所有する専有部分の売却の依頼を受け、その媒介等の業務のために、管理業者に確認を求めてきた場合の当該管理組合に代わって行う管理業者の対応に関する次の記述のうち、マンション標準管理委託契約書の定めによれば、最も不適切なものはどれか。

1 管理業者が提供・開示できる範囲は、原則として管理委託契約書に定める範囲となるため、一般的に敷地及び共用部分における重大事故・事件の情報は、当該組合員又は管理組合に確認するよう求めるべきである。

2 当該専有部分の修繕の実施状況について開示を求めてきたときは、書面をもって、又は電磁的方法により開示するものとする。

3 管理組合の修繕積立金積立総額並びに管理費及び修繕積立金等の滞納額について開示を求めてきたときは、書面をもって、又は電磁的方法により開示するものとする。

4 管理費等の改定の予定及び修繕一時金の徴収の予定並びに大規模修繕の実施予定がある場合には、これらも開示する情報に含め、書面をもって、又は電磁的方法により開示するものとする。

【解答及び解説】

【問 8】 正解 1及び2

1 不適切。管理業者が提供・開示できる範囲は、原則として管理委託契約書に定める範囲となる。ただ、管理委託契約書に定める範囲内の事項であっても、「敷地及び共用部分における重大事故・事件」のように該当事項の個別性が高いと想定されるものについては、該当事項ごとに管理組合に開示の可否を確認し、承認を得た上で開示することとすることも考えられる。
*標準管理委託契約書15条関係コメント②

2 不適切。管理業者が書面をもって開示すべき事項として、「共用部分等の修繕実施状況」があるが、「専有部分」についての修繕実施状況は開示する必要はない。
*標準管理委託契約書15条1項、別表第5

3 適切。管理業者が書面をもって、又は電磁的方法により開示すべき事項として、「管理組合の修繕積立金積立総額並びに管理費及び修繕積立金等に滞納があるときはその金額」がある。
*標準管理委託契約書15条1項、別表第5

4 適切。管理業者が開示する情報としては、管理費等の改定の予定及び修繕一時金の徴収の予定並びに大規模修繕の実施予定を含むものとされている。
*標準管理委託契約書 別表第5


【解法のポイント】本問は、法改正のため、当初、肢1が「適切」であったものが、「不適切」に変更になり、正解が二つになっています。