下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。
平成26年 管理業務主任者 本試験 【問 2】

【動画解説】法律 辻説法

【問 2】 マンション(マンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成12年法律第149号。以下、「マンション管理適正化法」という。)第2条第1号に規定するものをいう。以下同じ。)の管理組合A(以下、本問において「A」という。)が、マンション管理業者(マンション管理適正化法第2条第8号に規定する者をいう。以下同じ。)B(以下、本問において「B」という。)の代理人と称するCとの間で管理委託契約(以下、本問において「本件契約」という。)を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。なお、CはBから代理権を与えられていなかったものとする。

1 Bが、本件契約について、Cに対して追認したときは、Cは、当然に本件契約をAに対抗することができる。

2 Aは、Bに対し、相当の期間を定めて、その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができるが、この場合において、Bがその期間内に確答をしないときは、追認を拒絶したものとみなす。

3 Aは、本件契約の締結の時においてCが代理権を有しないことを知らなかったときは、Bの追認がない間は、本件契約を取り消すことができる。

4 Bの追認は、別段の意思表示がないときは、第三者の権利を害さない範囲で本件契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。

【解答及び解説】

【問 2】 正解 1

1 誤り。無権代理行為の追認は、相手方に対してしなければ、その相手方に対抗することができない。ただし、相手方がその事実を知ったときは、この限りでない。したがって、無権代理人Cに対して追認したとしても、相手方Aが追認の事実を知らないときは、追認の事実を対抗できないので、「当然に」本件契約が有効になるわけではない。
*民法113条2項

2 正しい。無権代理行為の相手方は、本人に対し、相当の期間を定めて、その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、本人がその期間内に確答をしないときは、追認を「拒絶」したものとみなす。
*民法114条

3 正しい。無権代理において、本人が追認をしない間は、相手方が取り消すことができる。ただし、契約の時において代理権を有しないことを相手方が知っていたときは、この限りでないが、本肢では相手方Aは無権代理であることを知らないので、取り消すことができる。
*民法115条

4 正しい。無権代理行為の追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。
*民法116条


【解法のポイント】本問は、無権代理に関する諸制度の基本的な理解を問うもので、解答しやすい問題だったのではないでしょうか。