下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 平成24年 問32

【動画解説】法律 辻説法

【問 32】 通常総会の議案書発送後、会日の3日前になって決算内容の重大ミスに気づき、その訂正が必要になった場合における各理事の意見である次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 既に提出された委任状と議決権行使書で過半数に達しているので、これを流用させてもらうことにし、総会の出席者には訂正文書を手渡して説明を行い、それを総会議事録に記載して全組合員に配布すればよい。

2 今から訂正文書を全組合員に発送すれば会日までに届くから、既に提出した委任状、議決権行使書を返して欲しいという人を除き、過半数の賛成がとれればよい。

3 決算内容に関する限り、改めて議案書の配布をしなければ既に提出された委任状、議決権行使書は使えないから、予定した総会は延期し、改めて総会招集通知を出す旨を全組合員に連絡すべきである。

4 収支決算及び事業報告の第1号議案のみ上程を取りやめる旨を総会で報告し、新役員が決まった後の臨時総会で審議・承認してもらう方法が簡便でよい。

【解答及び解説】

【問 32】 正解 3

1 不適切。集会においては、あらかじめ通知した事項しか決議することができないが、決算内容に重大なミスがあった場合、委任状と議決権行使書を提出している者は、議案書に基づいて議決権行使書に賛否の記載をしたりしているはずであるから、それをそのまま流用することは不適切である。
*区分所有法37条1項

2 不適切。集会の招集の通知は、会日より少なくとも「1週間前」に、会議の目的たる事項を示して、各区分所有者に発しなければならないので、会日までに訂正文書を発送するのでは不十分である。
*区分所有法35条1項

3 適切。集会の招集の通知は、会日より少なくとも1週間前に、会議の目的たる事項を示して、各区分所有者に発し、集会においては、あらかじめ通知した事項しか決議することができないので、改めて議案書を配布する必要があるので、本肢の記述は適切である。
*区分所有法37条1項

4 不適切。集会の招集の通知は、会日より少なくとも1週間前に、会議の目的たる事項を示して、各区分所有者に発し、集会においては、あらかじめ通知した事項しか決議することができないので、収支決算及び事業報告の第1号議案のみ上程を取りやめる旨を総会で報告するだけでは足りない。
*区分所有法37条1項