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管理業務主任者 過去問解説 平成24年 問20

【問 20】 免震構造・工法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 免震構造とは、免震層を配置することにより、地震力に対して建築物がゆっくりと水平移動し、建築物に作用する地震力を低減する構造形式をいう。

2 免震工法を採用した建築物を建築する場合の構造方法は、必ず国士交通大臣の認定を受けなければならない。

3 免震構造に用いられる免震材料は、鉛直荷重を支持し、建築物の水平方向の変形性能を確保する支承材のみである。

4 免震構造の建築物であっても、建築設備の設計・施工においては耐震及び制震構造の建築物との違いはない。

【解答及び解説】

【問 20】 正解 1

1 適切。免震構造とは、積層ゴムなどの免震層を配置することにより、地震力に対して建築物がゆっくりと水平移動し、建築物に作用する地震力を低減する構造形式をいう。

2 不適切。国土交通大臣は、申請により、建築材料又は主要構造部、建築設備その他の建築物の部分で、政令で定めるものの型式が、一定の規定に適合するものであることの認定(型式適合認定)を行うことが「できる」。この中に、免震工法を採用した建築物を建築する場合の構造方法も含まれるが、必ず国士交通大臣の認定を受けなければならないわけではない。
*建築基準法68条の10第1項
3 不適切。免震構造に用いられる免震材料は、鉛直荷重を支持し、建築物の水平方向の変形性能を確保する支承材だけでなく、支承の変形量が大きくなりすぎないようにする減衰装置(ダンパー)もある。

4 不適切。耐震構造の建築物は、建築物自体を揺れに対して強くしなければならず、また制震構造は建物の内部に何らかの制震装置(ダンパーなど)を組み込み、エネルギーを吸収するので、建築設備の設計・施工において免震構造とは異なることになる。