下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 平成23年 問5

【動画解説】法律 辻説法

【問 5】 制限行為能力者に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 成年被後見人が、成年後見人の同意を得て行ったマンションの賃貸借契約は、取り消すことができない。

2 成年後見人が、成年被後見人に代わって、成年被後見人が所有する居住の用に供するマンションの専有部分について抵当権を設定する場合には、家庭裁判所の許可を得なければならない。

3 未成年者が、マンションの専有部分をその区分所有者から賃借した場合は、法定代理人の同意を得ているか否かにかかわらず、当該賃貸借契約を取り消すことができる。

4 被保佐人が、自己の所有するマンションの専有部分につき大修繕のための請負契約を締結する場合には、保佐人の同意を得る必要はない。

【解答及び解説】

【問 5】 正解 2

1 誤り。成年後見人には、成年被後見人の行為に対する同意権はなく、成年被後見人が、成年後見人の同意を得て行ったとしても、そのマンションの賃貸借契約は、取り消すことができる。
*民法9条

2 正しい。成年後見人は、成年被後見人に代わって、その居住の用に供する建物又はその敷地について、抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。
*民法859条の3

3 誤り。未成年者の法定代理人は、同意権を有しているので、未成年者が法定代理人の同意を得て行った賃貸借契約は取り消すことができない。
*民法5条1項

4 誤り。被保佐人が、新築、改築、増築又は大修繕をするには、その保佐人の同意を得なければならない。
*民法13条1項8号