下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。
管理業務主任者 過去問解説 平成22年 問6
【問 6】 マンションの管理組合A(以下本問において「A」という。)とマンション管理業者B(以下本問において「B」という。)との間で管理委託契約(以下本問において「本件契約」という。)が締結された場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア 本件契約がAの管理者であるCの錯誤に基づいて締結された場合には、Aは、Cに重大な過失があるときでも、同契約の取消しを主張することができる。
イ かつてAの管理者であったが、現在は管理者でないCが、自ら管理者と称して本件契約を締結した場合に、BがCを管理者であると信じ、かつ無過失であったときには、Bは、同契約が有効であることを主張することができる。
ウ 本件契約がAとBとの通謀虚偽表示に当たる場合であっても、当事者間においては同契約の効力は妨げられない。
エ 本件契約がAの管理者であるCによって締結された場合に、Cが制限行為能力者であっても、同契約の効力は妨げられない。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
【解答及び解説】
【問 6】 正解 2
ア 誤り。管理者は、区分所有者の代理人であるが、代理行為の瑕疵については、代理人について決するものとされているので、管理者に重大な過失があれば、管理組合は錯誤による取消しを主張することはできない。
*民法95条3項、101条1項
イ 正しい。代理権の消滅は、善意無過失の第三者に対抗することができない(代理権消滅後の表見代理)。
*民法112条
ウ 誤り。通謀虚偽表示は、当事者間においても無効である。
*民法94条1項
エ 正しい。管理者は、区分所有者の代理人である。そして、制限行為能力者も代理人となることができ、制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。
*民法102条
以上より、正しいものは、肢イ及びエの2つであり、正解は肢2となる。