下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 平成22年 問4

【動画解説】法律 辻説法

【問 4】 甲マンション(以下本問において「甲」という。)の管理組合A(以下本問において「A」という。)と株式会社B(以下本問において「B」という。)との間におけるアからエの各事項のうち、民法の規定によれば、Aの管理者であり、かつ、Bの代表取締役であるC(以下本問において「C」という。)が、Aの事前の許諾を得ることなく行うことができるものはいくつあるか。

ア Cが、BとAとの間で、甲の補修工事につき請負契約を締結すること。

イ Cが管理者となる前にAとBとの間で有効に成立した管理委託契約に基づいて、Bに委託業務費の支払いをすること。

ウ 甲の電気設備の設置工事につきAとBとの間で請負契約を締結した際に、Cが、AのBに対する同契約に基づく請負代金債務について保証人となること。

エ Cが、BとAとの間で、Bの製造した高性能の防犯カメラを市価の半額でAに販売し、無償で甲への設置工事を行う契約を締結すること。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

【解答及び解説】

【問 4】 正解 2

ア できない。同一の法律行為については、相手方の代理人となることはできないが(双方代理の禁止)、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。したがって、本人の事前の許諾を得ることなく行うことができるのは、債務の履行ということになる。以上より、補修工事の請負契約を締結することはできない。
*民法108条

イ できる。同一の法律行為については、相手方の代理人となることはできないが(双方代理の禁止)、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。したがって、本人の事前の許諾を得ることなく行うことができるのは、債務の履行ということになる。そして、すでに成立している管理委託契約に基づいて委託業務費の支払いをすることは、債務の履行に該当し、Aの事前の許諾を得ることなく行うことができる。
*民法108条

ウ できる。Cが請負代金債務について保証人となるのは、管理者としての立場ではなく、C個人の立場として保証しているものと考えられるので、双方代理の問題ではなく、利益相反行為にも当たらないものといえる。したがって、Aの事前の許諾を得ることなく行うことができる。なお、保証契約は、主たる債務者の意思に反しても締結することができる。
*民法446条

エ できない。同一の法律行為については、相手方の代理人となることはできないが(双方代理の禁止)、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。したがって、本人の事前の許諾を得ることなく行うことができるのは、債務の履行ということになる。本肢の防犯カメラの売買及び設置工事の契約を締結するのは、債務の履行ではないので、Aの事前の許諾を得ることなく行うことができない。
*民法108条

以上より、Aの事前の許諾を得ることなく行うことができるものは、肢イ及びウの2つであり、正解は肢2となる。